糖尿病は贅沢病ではない。

私は糖尿病なので、糖尿病に関するニュースに敏感である。特に、糖尿病というのは、いわゆる贅沢病だと言われると、とたんに、肩身を狭くする。彼らは必ず、戦時中の兵士の話を持ち出すのである。曰く、戦争で、ひもじい生活をおくった兵士たちは、いつの間にか、糖尿病でなくなっていたそうだ。戦時中の話は知らない。それを語る人も、年齢から言って、見たり聞いたりしたわけではない。たぶん、また聞きであり、私をおちょくる攻撃材料をどこかで、仕入れただけである。だが、とても、もっともらしい。らしいゆえに、私は反論できない。だが、アメリカのエモリー大学糖尿病教育訓練学会のBritt Rotberg氏は糖尿病は贅沢病ではないと主張する。事実、統計では、食料不安のある貧困家庭のほうが、糖尿病の発症確率は高いのだ。日本でも、2012年に厚生労働省から報告された平成22年度国民健康・栄養調査の結果では、世帯所得が600万円以上の女性（肥満者の割合13.2％）に比べて，世帯所得が200万円未満（25.6％）や200万～600万円（21.0％）の女性の方が糖尿病の予兆である肥満者の割合が高いことが分かっている。つまり、貧困層の食事は、その内容に偏りがあるのだ。ついつい安価なフアーストフードなどに頼りがちになるのだ。そういえば、私も、結婚が遅かったせいで、食事が偏っていたのかもしれない。だから、けっして、豊かな生活をしていたわけではない。出来るわけがない。(2015.6.25)

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