ダラスで起こった銃撃戦。

7日、ダラスで起こった銃撃戦はまさに内乱に匹敵する。同じダラスで起こったケネデイー大統領暗殺事件の銃の使い方とまったく異なるのである。これまで、アメリカ社会はイスラム過激派に親派する集団や個人と闘ってきた。彼らは爆弾や銃で武装していたからである。だが、白人警官の黒人男性への射殺事件を機に、南部のアメリカを中心に、警察へのデモが広がった。デモがデモで終わったのなら、民主的である。だが、白人警官への狙撃事件から、さらに犯人との銃撃戦が行われたとなると、小さいとはいえ、内戦である。この種の白人警官への攻撃がダラスだけではないということである。銃を持った市民が自分の思想、人種、宗教などによって、法律の枠を超えて、暴走し始めれば、もはや、社会は社会として、機能しなくなる。しかも、これまで、治安の面では安全と言われていたアメリカや西欧が混乱化すれば、彼らが世界の政治や経済などの、あらゆる分野で、大きな力を持ってきただけに、その影響は計り知れない。中国やロシア、北朝鮮といった国々は、この混乱を利用しようとするだろう。いや、彼ら自身も、さらに大きな混乱に入るかもしれない。今年の末にはアメリカの大統領選挙である。共和党のトランプ氏が大統領になる可能性も高い。もし、そうなれば、この混乱化に拍車をかけることだけは間違いない。(2016.7.09)

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