昨年の日本政治を振り返る。安倍政権の退陣理由。

昨年８月に安倍政権が退陣した。理由は安倍首相の病気ということであったが、二つの意味で、先を読んだ動きであったように感じる。一つは１１月に行われるアメリカの大統領選挙である。予想は民主党のバイデン氏の大統領当選が濃厚であったことだ。そうなるとトランプ大統領とあまりに近い安倍首相では日本の立ち位置が悪い。だから、安倍政権の政策を継続する首班の指名が求められたのである。だから、その意味では菅政権の誕生は流れの中にあったと言える。菅首相本人の実力も確かなので、出発は順風満帆のように見えた。しかし、コロナ禍である。コロナ患者が予想以上に増えた。菅政権はその対応が良かったとは言えない。こうして、支持を減らしてしまった。そして、それと共に、内閣の看板である河野大臣の露出も減ってきた。安倍政権の退陣の理由の二つ目だが、さくらを見る会における違法支出問題が露呈しそうだということがあった。安倍政権は日本の安定のために多くの功績も遺したのだが、長期政権のひずみも出始めていた。傲慢さも、国民との感覚のづれも政権末期にはあきれさせるほどに現れていたのである。（くちなし亭、2021.01.02）

Y-FP Office Japanトップページ

（追記）菅政権はこれから誕生するバイデン政権に迎合するように、２０５０年までに温室効果ガス実質０宣言を行った。