日本でも大停電が近い。

電力の供給がひっ迫している。それは東日本大震災時よりも厳しい状態だという。あの時には関東や東北地方では発電所の停止などで厳しい状況になったが、全国的ではなかった。だが、今回は全国的なひっ迫状態なのである。その第一の原因は大寒波である。それに伴って、日本では火力発電所はフル稼働しているのだが、その４割を占めるＬＮＧの供給不足が起こり始めている。ＬＮＧは需要に合わせて、供給量を調整できるという利点があるが、長く備蓄しておくことはできない。そこに輸出元のオーストラリアの設備故障とパナマ運河航行遅延問題が起こった。パナマ運河の問題はコロナである。パナマ運河の水先案内人にコロナ患者が発生し、パナマ政府が厳重な防疫対策をしているためだ。こうして、ＬＮＧの価格は上昇している。太陽光発電などで、供給している電気のスポット価格も上昇している。それに反比例するように、石炭による火力発電所の設備に故障が頻発し始めた。中国では大停電が続いている。オーストラリアからの石炭輸入の停止のブーメランだと言われているが、それよりも、大寒波により負荷が拡大した石炭火力発電所の故障ではないかと日本の状況を見ながら、推測する。この不況下で原油が値上がりしているのも、その余波ではないかと思われる。（くちなし亭、2021.01.15）

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