エジプトのクフ王の大ピラミッドと言えば、紀元前2500年ころに建設され、以降、4500年以上の月日の中で、ある時は、盗掘団に、ある時は進入した外国軍隊などに、内部をさんざん盗掘されてきたであろうと思われる。だが、このたび、名大の森島邦博特任助教らのグループ、日本の高エネ研とフランスの宇宙基礎科学研究所によって、このピラミッドの中心部分に巨大な空間があることを突き止めた。クフ王のピラミッドが王の巨大な墓なのか、あるいは神との儀式を行う場所なのかなど、いくつもの仮定が科学者たちによって、考えられてきたが、この空間の解明で、その事実が明らかになるかもしれない。さて、この空間の発見には、「ミュー粒子」という放射線を用いた。これまでとらえることもできなかった「ミュー粒子」である。上空から飛んできて分厚い石も通り抜ける。この「ミュー粒子」をとらえる技術を開発したことで、初めて成し遂げられた快挙でもある。日本の墳墓もそうだが、多くは泥棒から財宝を守るために、固い石や土で、出口をふさぐ。このクフ王のピラミッドの場合には、4500年以上もその被害を防ぐほどの完璧な空間を造り上げたということだろう。それだけでも、すごいことである。(2017.11.03)
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