昨年の2月、大震災が起こる前である。文部科学省の地震調査委員会は東北地方の巨大津波について、報告書にいつ来てもおかしくない状況であり、警戒するようにという記載を盛り込む検討を行いながら、東海大地震の切迫度を弱めるという理由から、その記述を見送ったそうである。おかしな話である。東北地方には東北地方の危険があり、東海地方には東海地方の危険が迫っているはずである。日本全体としては、東海地方が危ないから、東北は放置するのだという発想は、東京の文部科学省の机の上だけで、通用する話である。まして、文部科学省は原発にも多少関与しているはずである。なぜ、そのような危険性だけでも、福島原発を担当する役所や、東電に伝えなかったのか。感性を疑う発表である。事後となれば、むしろ、そのようなことは予想だにしていなかったといわれるほうが、まだ、潔いというものである。
Y-FP Office Japan
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