日米欧の中央銀行のまとめによれば、リーマンショック以後、個人や企業の現金預金残高は2500兆円を超え、なおも増加している。日本のそれは1030兆円(+3%)、アメリカは750兆円、ユーロ圏は740兆円。そのなかで、顕著なのは企業の安全資産へのシフトである。アメリカ企業は前年にくらべ、現金預金を2割以上増やしている。ユーロ圏の企業の株式保有残高が9%減になっている。ただ、預金の増加により、銀行の貸し出しが増え、景気の好転につながればよいのだが、実際には、銀行はヨーロッパの債務問題に引きずられて、金融不安の真っ只中にいる。当然、貸し渋りが起こり、貸し出し残高は増えていない。日本の銀行などでは昨年比0.2%しか増えていない。3%預金が増えて、0.2%しか、投資に回っていかないとすれば、残りはある意味、死蔵されることになる。もちろん、国債の購入などに当てられるのであるが、それだけ、市中に金が回らない状況。つまり、デフレ効果をもたらす。
Y-FP Office Japan
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