幸せの象徴

20世紀も戦後の時代。私たちには、大企業のサラリーマンになることが幸せの象徴であった。教員になることが安定のしるしであった時代もあった。だから大学の教育学部は人で溢れていた時代があった。また、高級官僚になることが出世のシンボルであった時代もあった。しかし、21世紀に入り、大企業のサラリーマンが幸せでなくなった。正社員の数もどんどん減っていって、競争は激化した。常在戦場、友も敵と言う苦しみが心を蝕み始めた。また、教員になっても、若い子供達は荒れ狂い、その子供達を指導する喜びを感じなくなった。高級官僚にも、試練は訪れる。自らが蒔いた種とはいえ、各省庁ごとの利権に追われ、日本の大きな舵取りをするのだという志という喜びがいつのまにか消えていた。こうして、今、日本は誰もが新たな幸せのシンボルを捜し始めた。かつて、教員を目指した心優しい若者たちは、介護の職を目指しているが、教員ほどの恵まれた環境にはない。けれど、もうすぐ、社会は変わる。かつて、サラリーマンが幸せの象徴であったあった時代、彼らは社会の多数派であったのだ。しかし、彼らはもうすぐ、少数派になる。そして、彼らが少数派になったとたん、多数派の個人事業者が社会の中心を担い始める。突出した経済的な富裕者はそこからは生まれないかもしれないが、その人たちが中間所得層を構成し始めたら、確実に、日本の社会は生まれ変わる。今は落ちこぼれと言われている人たちが社会の中心になる時代へと変わるのである。

Y-FP Office Japan
歴史の好きな皆さん。Y-FP の時代小説もご覧ください。