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中村吉右衛門さん 日経新聞 『私の履歴書』

2018-07-31 14:00:39 | 日記

 

7月の日経新聞、『私の履歴書』は 二代目中村吉右衛門さんでした。

 

吉右衛門さんのお母様は 初代中村吉右衛門の一人娘で 18才で 八代目松本幸四郎さん(初代白鸚)に嫁がれました。 八代目は 男っぽい 好い男というのがぴったりの役者さんでした。

婿を取るはずだった大事な跡取り娘の結婚の条件は 二人目の男の子が生まれたら 吉右衛門を継がせることでした。

二代目吉右衛門さんは 生まれる前から 吉右衛門となる運命だったのです。

 

『私の履歴書』では 余り触れられていませんが 繊細な吉右衛門さんは なかなか扱いにくい青年期を過ごされたというのは 周知の事実です。(中学からクラブ通いしていたとか)

 

生まれた時から 実兄九代目松本幸四郎さん(現二代目白鸚)と 差をつけて育てられ、かなり屈折されていました。 昔は 長男は特別扱いだったのです。

 

『私の履歴書』には書かれていませんが 随分と年上の 超有名女優さんと 長く浮名を流されたり フランス人の恋人がいると噂されたり。 

 

兄幸四郎に対する 屈折したライバル意識は 凄まじいものでした。

 

父八代目の時に父・息子三人は 歌舞伎座が属する松竹から 東宝へ移り 東宝歌舞伎を立ち上げるのですが上手くゆかず 又松竹へ戻るといういきさつもあったりして ますます父・兄との関係も悪くなって行きます。

 

31才で19才だった遠縁のお嬢さんと結婚されます。 年の差婚はまるでご両親の結婚の様です。

 

4人のお嬢さんに恵まれ 四女さんが 五代目菊之助さんと結婚されました。

もし菊之助さんに 二人目の男の子が生まれたら あんなに悩んだのに ご自分と同じように 吉右衛門を継がせかねない 舞台上でも見え見えの 爺ぶりです。

 

九代目幸四郎さんは ブロードウェイ主演など 他に類を見ないご活躍ですが 歌舞伎ではないので考慮されず 人間国宝ではありません。 

 

二代目吉右衛門さんは 2011年に 人間国宝になり 昨年、兄も受賞した 文化功労者に選ばれました。その喜びで 私の履歴書は締めくくられています。

 

兄に 勝った と 思われたのでしょうか。(兄の方はそれぼど意識していないという場合が多いのですが)

 

それにしても レベルの高い 争いです。

 

 

個人的には ”籠釣瓶花街酔醒” (かごつるべさとのえいざめ)の 佐野次郎左衛門役が好きです。

    「花魁、そりゃ、ちっと、そでなかろうぜ」

 

 

    by  風呼     

 

 

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