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堀越勸玄(かんげん)くん 初お目見え  於・歌舞伎座

2015-11-11 17:58:28 | 観劇

 

海老蔵長男 二歳七か月の 勸玄くんが 夜の部 江戸花成田面影(えどのはななりたのおもかげ)で 初お目見えです。

 

花道から 父海老蔵さんに手を曳かれて かわいらしく登場。

さながら初舞台の 猿回しの子猿のよう。

 

11世團十郎50年祭の 特別イベントです。

 

父海老蔵に倣い 懐から扇子を取り出して前に置き 深々と頭を下げ 口上も上手に出来ました。

 

 

 

11月の顔見世大歌舞伎です。

 

 

勸玄くんお目当てでしたが 『仙石屋敷』 の 仁左衛門さん(大石内蔵助)が 秀逸でしたのでそのことを。

 

歌舞伎で 『忠臣蔵』 といえば 浄瑠璃で初演の 『仮名手本忠臣蔵』 をいいます。

今月の演目は 『元禄忠臣蔵』 作・真山青果。 昭和10年初演の 新作(歌舞伎)と云われるものです。

 

仮手本は 十一段。

事件の翌年、 早々と一部が上演されました。 同時代の武家社会を描くのはご法度だったので 時代を太平記になぞらえています。   登場人物の名前も変えてあります。

大序 鶴が岡。    第二段 桃井館。  第三段 鎌倉御所。  第四段 扇ヶ谷上屋敷。  第五段 山崎街道。   第六段 与一兵衛住家。   第七段 一力。   第八段 道行旅路の嫁入り。第九段   山科閑居。   第十段 天河屋。   そして大十一段 勢揃より引上 です。

あら、 知っているようで 知らないような。

 

元禄の方は 資料に沿って書かれた 事実に近い脚本です。

第一偏 江戸城の刀傷。   第二編 第二の使者。   第三編 最後の大評定。   第四編   伏見撞木町。    第五編 御浜御殿綱豊卿。    第六篇 南部坂雪の別れ。    第七編 吉良屋敷裏門。   第8編 泉岳寺。    第九編 『仙石屋敷』 と 『十八ヶ条申し開き』    第十編 大石最後の一日   です。

 

今回の上演は 元禄の方の 第九編 『仙石屋敷』 十八ヶ条の申し開きも含みます。

吉良の首を取った赤穂浪士は 人情篤い大目付 仙石伯耆守(ほうきのかみ) の元へ身を寄せます。

そこで伯耆守の尋問に 内蔵助を初めとして 名指しされたものが答えます。

 

役を演じる梅玉さんか 伯耆守か その人柄を現した質問が秀逸です。

一番若いものは? (勿論15才の大石主税)  一番年老いた者は? (堀部安兵衛の義父 堀部弥兵衛 75才)  とか

堀部安兵衛には 「2度目の仇討ですな」 とか

吉良を見つけたものは?   とか

 

内蔵助に対しては さまざまな問いを投げかけます。

 

内蔵助は 答えます。

 

そもそもこれは自分自身の意志で集まったものたちで ”徒党” ではない。 (討ち入りをはじめ 武器を持って徒党を組むのは禁じられていた)

 

火事に用心は 江戸の常識。   月夜でもあったし 松明(たいまつ)も提灯も用いなかった。

袖もとが白いのは 夜目にも認識できるように。

 

屋敷内では 使用人に命じて 屋敷の蝋燭を灯させた。  引き上げる際には その本数を確認し 全部火を消した。

 

武士のたしなみは手にしたが 鎧・鉄砲等 戦闘の備えはしていない。

 

女、子供 逃げる者はそのままにし 武器を持って立ち向かって来るものだけをあやめた。 (だから上野介の息子は 在宅していたらしいが 認識できていない)

 

そもそもこの行為は 仇討ではなく 主君の本懐を遂げただけのものである。

 

喧嘩両成敗の掟なのに 我が主君だけが罰せられた。  

その理不尽を問うべく こうやって名乗り出をしてきた。

 

主君がお上に裁かれたように 我々もお上のご沙汰を仰ぎたい。

 

伯耆守の手厚い接待を受け、 四家に分かれて預けられます。

 

内蔵助は 斬首になるかもしれない 絞首になるかもしれない身を案じて 15才の主悦が気掛りです。

伯耆守宅 玄関で 別れを告げる主税に 諭します。

 

主悦役に 孫の千之助 15才。 (実生活では 両親が離婚、 父親は先だって再婚) 祖父の慈愛が身に沁みます。

松嶋やさんって 仁左衛門さん以外 案外 幸うすい ような。

 

11代目50年祭なのに 11代目が得意とされた 『御浜御殿』 ではなく 『仙石屋敷』 なのは。

 

44人を従えて(実際の討ち入りには2人参加できませんでした) 平伏したままでの科白の仁左衛門さん、 こまごまとした答弁をきっちり観客に伝えました。   お見事!

 

必見 希の 名舞台。

浪士も45人登場、 全員殆ど平伏。  舞台上には男ばかり50人という 珍しい演目でもありました 。

 

 

仁左衛門さんの顔(かんばせ)は 殆ど拝めなかったけれど

 

  満足 満足 の     (11月9日 観)

          風呼   でした      

 

                 

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