今年の観劇の〆は 歌舞伎です。
菊之助初演の 『籠釣瓶花街酔醒』 の花魁八ツ橋。
籠釣瓶とは 一度抜くと血を見ないではおかないという
主人公佐野次郎左衛門所有の 家伝の妖刀のこと。
冒頭の写真は 花道のつけ際で 花魁八ツ橋がお馴染さんに
微笑んだところ。 微笑みが多ければ多いほど 花魁の格が
上がるといわれた。(微笑まれた相手はご祝儀を出さなければならない)
その微笑を自分に向けられたと勘違いをした 痘痕面(あばたずら)の
次郎左衛門が 八ツ橋に入れあげ 縁切りされ 恨んだ挙句 妖刀籠釣瓶で
切り殺すのです。
縁切りの場の 「おいらん そりゃ ちょっと そでなかろうぜ」 の 次郎左衛
門の科白が 有名です。
のけぞって死ぬ 有名なシーン
八ツ橋が 中村歌右衛門、 中村福助、 坂東玉三郎
次郎左衛門が 松本幸四郎、 中村吉右衛門、 中村勘三郎
八ツ橋の間夫(まぶ、情人のこと)繁山栄之丞に
市川團十郎、 中村梅玉、 片岡仁左衛門 と観て
今日は それぞれ尾上菊之助、 尾上菊五郎、 坂東三津五郎の
配役で4度目になります。
願わくば
凛とした様式美の菊之助、 屈折した悲壮感漂う吉右衛門、
立っているだけで女心を鷲づかみする 仁左衛門 で
見てみたいものです。
by 風呼