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ディープ・パープル/ライブ・イン・ストックホルム1970

2007年06月15日 23時47分07秒 | ROCK-POP
 去年の今頃、シリーズ物のつもりで「ライブ・イン・ジャパンの研究」というのを書いたのだが、ゲームが忙しくて「ハイウェイ・スター」が終わったところで頓挫しているのだが、このアルバムはその時に購入してそのまま放置してあったものだ。1970年はスカンジナヴィアでのライブということだが、この時期、つまり第2期ディープ・パープル最初期の頃のバフォーマンスはBBCのイン・コンサートだとか、「ロイヤル・フィル」のボーナス・トラックだとかいろいろ出ているが、それらを聴く都度、実はこのメンツが一番凄いライブをしていたのは、「ライブ・ジャパン」でお馴染みの1972年ではなくて、ひょっとすると1970年だったのではないだろうか、などとも良く思ったりもする。この時期のパープルは、メンバーを刷新し新バンドとしてスタートしたフレッシュさが充満し、かつ60年代の頃の彼らにあったサイケというかカオスのような激しさがまだまだ残存していて、思うにそれらが合わさって、とんでもないパワーと獲得していたと思う。

 このアルバムはこの時期の彼らを捉えたライブ盤としては、おそらく最良のものではないだろうか。デンマークのスカンジナビアというローカルなロケーションでのライブのせいか、BBCのライブのような取り繕ったところもなく、ほとんど野放図で怒濤のパワーをこれでもかというほど放出している。なにしろそれぞれの曲が長い。定番のアドリブ大会「リング・ザット・ネック」と「マンドレイク・ルート」は各々30分というのも凄いが、冒頭の「スピード・キング」をアドリブをふんだんに取り入れて、11分半もやっているのには恐れ入ってしまう、まさに60年代的なパワーの垂れ流し、カオス状態である。彼らのライブはこうしたカオスとパワーが徐々にコンパクトな形で構造化して、1972年の日本公演あたりでは、それがもっとも洗練された形で完成したとも考えられるけれど(カリフォルニア・ジャムあたりを聴くと、それが袋小路に至ってしまっているがよく分かる)、そのどちらをとるかは人それぞれといったところだろうが、このライブはマスターが放送用8トラック録音ということで、音質はほとんど正規盤に準じたコンディションなので、その意味でも、「ライブ・イン・ジャパン」を補完するライブとして長い生命を保つのではないだろうか?。
コメント
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