GGIは、いろいろ問題はあることはあるけれどわがニッポンはいちおう自由な国であると思っているのですが、どうやらこの思ひは井の中の蛙、いつのまにか大海を知らずになっているようだというのが今日のお話です。
世の中には「報道の自由度ランキング」なるものが存在していまおろます。国際手的なジャーナリストの組織「国境なき記者団(RSF)」(本部パリ)が色々な指標や様々な世界の報道機関の特派員たちによる評価を材料に世界の約180の国を対象に各国の報道の自由の程度を評価して、毎年「報道の自由度ランキング」を公表しています。
今年のランキングが5月3日に発表されたことを同日付の日経新聞(共同:デジタル版)などが伝えておりました。日経の記事によりますと、なんと日本は昨年から4つ順位を下げて71位となっているとのこで・・・・世界で真ん中あたりのランキングです。この結果は、報道の自由度に関しては、日本はとても先進国というわけにはいかないことを意味しているのではないでせうか
ついでに申し上げますと1位はノルウェー、最下位は北朝鮮だそうであります。今や世界の悪者であるとされるロシアは昨年から5つランキングを下げて155位とのことです。
GGIもそうなのですが、この結果を知って、皆さんの多くは「えっ!180カ国中71位だなんて・・・日本はもっと自由な国じゃないの?」とお思いになるのではないでせうか・・・
実は、わがニッポン、以前はもっともっと上位に位置していたことがあるのです。記憶が多少曖昧なのですが、かつての民主党政権時代(2009年9月~2011年8月)に、日本のランキングが最高で10位以内ということがあったようにGGIは記憶しているのです(注参照)。
ウィキペディアさんに掲載されている2010年~2021年のランキング一覧表によりますと、そのあとアベ君の時代になってからは、日本のランキングは年々だだ下り・・・最近は50位あたりを低迷しているなあと思っていましたら、油断している間に更に下降、今年は71位というわけです。アジアでは韓国や台湾のほうが日本より報道の自由度があるとされています・・・・
(注:上記のウィキペディアさんが掲載している2010~2021年以前のランキングの一覧表をみますと、日本は2010年には11位、2012年には22位とされています)
日本について、RSF(国境なき記者団)は、日本の場合は大企業の影響力が強まり、記者や編集部が都合の悪い情報を報じない「自己検閲」をするようになっているとしており、このような傾向は韓国やオーストラリアでも同様であるとしています。「大企業の影響力」の意味がはっきりしないのですが、何年か前のランキングでは、日本の大メディアは報道以外にテレビ放送をはじめ様々な事業を営んでいる大企業であり、そのため経営の都合が優先され、そのことが自由な報道の妨げになっていると評されていました。要するに金儲けに差し支えるようなことはあんまり報道したくないという情けなき状況にあるということです
つまり、日本の大手メディアさんの大半は自社の「ビジネス」を勘案していろんな筋に「忖度」したり、欧米社会にはない「社会」ならぬ「世間」なるものによりつくり出されるいわゆる社会的雰囲気つまり「同調圧力」などに弱いということではないでせうか・・・
確かに、たとえば首相や官房長官による記者会見の様子をテレビで見たりしておりますと、日本のランキングが低いのも無理からぬことだなあと思ってしまいます。
日本を代表するメディアの「優秀なる」記者さんたちが質問するのですが、記者さんたち、まるで借りてきた猫のように(ネコ君ゴメンナサイ!)おとなしく、お行儀が良いので、差しさわりのない質問しかいたしませぬ。首相が嫌がる質問を避けたり、問題を追及するような鋭い質問をしないだけはなく、答弁の内容がアンフェアなもの、すなわち不十分なものであったり的外れであったり論点を外したものであっても、再質問して問いただすことはいたしませぬ。記者会見を取り仕切る官邸のお役人が出張って、強引な司会を行うことで嫌な質問をさせないようにしたり質問を打ち切ろうとしたりするのですが、それでも、文句のひとつも言いませぬ。要するにエリートである大メディア記者のみなさん、いろいろ忖度したりして、とてもお行儀がよいのです。ほとんどの日本の記者さんは真実に迫るという気力を著しく喪失しております。かようなしだいで、これでは報道の自由もヘチマもないなあなという感想を抱かざるを得ませぬ・・・・
ランキングを発表した「国境なき記者団」(RSF)は、「民主主義国で偏向報道の増加や交流サイト(SNS)を通じた偽情報の拡散により社会の溝が深まっている」と指摘しており、ドロワール事務局長は声明で「強権国家は(官製)メディアを自身の武器とし、市民の知る権利を消滅させている」と訴えているとされています(以上は上記の日経の記事による)。GGIの考えでは「強権国家」だけではなく、日本や欧米の先進国をはじめ、民主主義とされる国においても、政権側が(官製)メディアなどを自身の武器とする傾向は強まっており、このため全体的に見て、報道の自由が危険にさらされつつある、というこでありませう。
このランキング、上位はほとんど欧州の中小国により占められています。G7などの大国が必ずしも上位に位置しているわけではありません。上記のウィキペディアさんの2021年に関するに一覧表によりますと、昨年2021年の場合、ドイツが14位、カナダが15位ですが、イギリスは34位、おフランスが35位、イタリアが42位、それに韓国が42位(2022年は43位)、台湾が44位(2022年は38位)、アメリカが45位となっています。ついでに申し上げますと香港は2021年には87位でしたが香港が事実上完全に中国の政権下におかれてしまった2022年には148位に急落、またいま世界の注目の的であるウクライナの場合は2011年に97位でありました・・・・
でも・・・日本のマスコミのだらしなさをあまり嗤っているわけにはいきませぬ。かくいうGGIも結構世間なるものを気にしてあれこれ忖度しながらこの日記を書いているからであります!
最後に独居老人風にイチャモンをつけますと、GGIが永年購読しております朝日新聞さん、この報道ランキングのニュースは5月4日に紙上で報道されていると思ったのですが、4日付けの紙面には一行も報道されておりませぬ。その代わりに一面を割いて「わが社は米ニュースデザイン協会による優勝賞を受賞した、日本のメディアで唯一の受賞である、と自画自賛記事を掲載しておりました。報道の自由に関しては、憲法記念日の関連でかつての「赤報隊」なる者による阪神支局襲撃事件について社会面で記事が掲載されていたものの、報道の自由度ランキングについてはまったく知らん顔・・・・何という鈍感ぶりでありませう
私が編集長ならば、何をボケているんだ、報道の自由はメディアにとって命!だから、報道自由度ランキングのニュースは最優先して一面のトップ記事として扱え!と部下に厳しく命じるでありませう。「危機にさらされる日本の報道界!日本の報道の自由度ランキングはさらに71位にまで後退!台湾・韓国にも大きく追い抜かれる!」とスポーツ新聞ふうに、大きく扱うでありませう・・報道の自由命!ということに思いが及ばず、わが社を自慢する記事を大きく載せるとは・・・・まことに鈍感かつ恥さらしのの極致・・・さっさと地獄に堕ちなさいと言うしかありませぬ。
なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・
今日の写真は本文と関係ありませぬ。昨日、突然夏がおとずれ今は亡き西武さんの跡地の上空に青空と白雲が広がっておりましたので撮った写真です。よろしければクリックしてご覧くさいませ
グッドナイト・グッドラック!
世の中には「報道の自由度ランキング」なるものが存在していまおろます。国際手的なジャーナリストの組織「国境なき記者団(RSF)」(本部パリ)が色々な指標や様々な世界の報道機関の特派員たちによる評価を材料に世界の約180の国を対象に各国の報道の自由の程度を評価して、毎年「報道の自由度ランキング」を公表しています。
今年のランキングが5月3日に発表されたことを同日付の日経新聞(共同:デジタル版)などが伝えておりました。日経の記事によりますと、なんと日本は昨年から4つ順位を下げて71位となっているとのこで・・・・世界で真ん中あたりのランキングです。この結果は、報道の自由度に関しては、日本はとても先進国というわけにはいかないことを意味しているのではないでせうか
ついでに申し上げますと1位はノルウェー、最下位は北朝鮮だそうであります。今や世界の悪者であるとされるロシアは昨年から5つランキングを下げて155位とのことです。
GGIもそうなのですが、この結果を知って、皆さんの多くは「えっ!180カ国中71位だなんて・・・日本はもっと自由な国じゃないの?」とお思いになるのではないでせうか・・・
実は、わがニッポン、以前はもっともっと上位に位置していたことがあるのです。記憶が多少曖昧なのですが、かつての民主党政権時代(2009年9月~2011年8月)に、日本のランキングが最高で10位以内ということがあったようにGGIは記憶しているのです(注参照)。
ウィキペディアさんに掲載されている2010年~2021年のランキング一覧表によりますと、そのあとアベ君の時代になってからは、日本のランキングは年々だだ下り・・・最近は50位あたりを低迷しているなあと思っていましたら、油断している間に更に下降、今年は71位というわけです。アジアでは韓国や台湾のほうが日本より報道の自由度があるとされています・・・・
(注:上記のウィキペディアさんが掲載している2010~2021年以前のランキングの一覧表をみますと、日本は2010年には11位、2012年には22位とされています)
日本について、RSF(国境なき記者団)は、日本の場合は大企業の影響力が強まり、記者や編集部が都合の悪い情報を報じない「自己検閲」をするようになっているとしており、このような傾向は韓国やオーストラリアでも同様であるとしています。「大企業の影響力」の意味がはっきりしないのですが、何年か前のランキングでは、日本の大メディアは報道以外にテレビ放送をはじめ様々な事業を営んでいる大企業であり、そのため経営の都合が優先され、そのことが自由な報道の妨げになっていると評されていました。要するに金儲けに差し支えるようなことはあんまり報道したくないという情けなき状況にあるということです
つまり、日本の大手メディアさんの大半は自社の「ビジネス」を勘案していろんな筋に「忖度」したり、欧米社会にはない「社会」ならぬ「世間」なるものによりつくり出されるいわゆる社会的雰囲気つまり「同調圧力」などに弱いということではないでせうか・・・
確かに、たとえば首相や官房長官による記者会見の様子をテレビで見たりしておりますと、日本のランキングが低いのも無理からぬことだなあと思ってしまいます。
日本を代表するメディアの「優秀なる」記者さんたちが質問するのですが、記者さんたち、まるで借りてきた猫のように(ネコ君ゴメンナサイ!)おとなしく、お行儀が良いので、差しさわりのない質問しかいたしませぬ。首相が嫌がる質問を避けたり、問題を追及するような鋭い質問をしないだけはなく、答弁の内容がアンフェアなもの、すなわち不十分なものであったり的外れであったり論点を外したものであっても、再質問して問いただすことはいたしませぬ。記者会見を取り仕切る官邸のお役人が出張って、強引な司会を行うことで嫌な質問をさせないようにしたり質問を打ち切ろうとしたりするのですが、それでも、文句のひとつも言いませぬ。要するにエリートである大メディア記者のみなさん、いろいろ忖度したりして、とてもお行儀がよいのです。ほとんどの日本の記者さんは真実に迫るという気力を著しく喪失しております。かようなしだいで、これでは報道の自由もヘチマもないなあなという感想を抱かざるを得ませぬ・・・・
ランキングを発表した「国境なき記者団」(RSF)は、「民主主義国で偏向報道の増加や交流サイト(SNS)を通じた偽情報の拡散により社会の溝が深まっている」と指摘しており、ドロワール事務局長は声明で「強権国家は(官製)メディアを自身の武器とし、市民の知る権利を消滅させている」と訴えているとされています(以上は上記の日経の記事による)。GGIの考えでは「強権国家」だけではなく、日本や欧米の先進国をはじめ、民主主義とされる国においても、政権側が(官製)メディアなどを自身の武器とする傾向は強まっており、このため全体的に見て、報道の自由が危険にさらされつつある、というこでありませう。
このランキング、上位はほとんど欧州の中小国により占められています。G7などの大国が必ずしも上位に位置しているわけではありません。上記のウィキペディアさんの2021年に関するに一覧表によりますと、昨年2021年の場合、ドイツが14位、カナダが15位ですが、イギリスは34位、おフランスが35位、イタリアが42位、それに韓国が42位(2022年は43位)、台湾が44位(2022年は38位)、アメリカが45位となっています。ついでに申し上げますと香港は2021年には87位でしたが香港が事実上完全に中国の政権下におかれてしまった2022年には148位に急落、またいま世界の注目の的であるウクライナの場合は2011年に97位でありました・・・・
でも・・・日本のマスコミのだらしなさをあまり嗤っているわけにはいきませぬ。かくいうGGIも結構世間なるものを気にしてあれこれ忖度しながらこの日記を書いているからであります!
最後に独居老人風にイチャモンをつけますと、GGIが永年購読しております朝日新聞さん、この報道ランキングのニュースは5月4日に紙上で報道されていると思ったのですが、4日付けの紙面には一行も報道されておりませぬ。その代わりに一面を割いて「わが社は米ニュースデザイン協会による優勝賞を受賞した、日本のメディアで唯一の受賞である、と自画自賛記事を掲載しておりました。報道の自由に関しては、憲法記念日の関連でかつての「赤報隊」なる者による阪神支局襲撃事件について社会面で記事が掲載されていたものの、報道の自由度ランキングについてはまったく知らん顔・・・・何という鈍感ぶりでありませう
私が編集長ならば、何をボケているんだ、報道の自由はメディアにとって命!だから、報道自由度ランキングのニュースは最優先して一面のトップ記事として扱え!と部下に厳しく命じるでありませう。「危機にさらされる日本の報道界!日本の報道の自由度ランキングはさらに71位にまで後退!台湾・韓国にも大きく追い抜かれる!」とスポーツ新聞ふうに、大きく扱うでありませう・・報道の自由命!ということに思いが及ばず、わが社を自慢する記事を大きく載せるとは・・・・まことに鈍感かつ恥さらしのの極致・・・さっさと地獄に堕ちなさいと言うしかありませぬ。
なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・
今日の写真は本文と関係ありませぬ。昨日、突然夏がおとずれ今は亡き西武さんの跡地の上空に青空と白雲が広がっておりましたので撮った写真です。よろしければクリックしてご覧くさいませ
グッドナイト・グッドラック!