透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「美術の愉しみ方」を読んだ

2023-10-17 | A 読書日記


『美術の愉しみ方』山梨俊夫(中公新書2023年)を読んだ。

**本書は、名画や美術史の解説を目的にしていない。普段美術にあまり縁のない人や、美術は面白そうだけど近づき方が判らないと思っている人が愉しむきっかけになればとの思いをもって著わされている。**(ⅰ)「はじめに」で著者はこのように書いている。そう、本書は美術鑑賞の手引き書。

本書は「関心を開く」「好きを見つける」「読む」「比べる」「敷居をまたぐ」「参加する」「判る判らない」という七つのキーワードで美術作品へのアプローチ法を提示し、それらの内容について説いている。掲載されているカラー図版が理解を助ける。

美術を愉しむ方法は人それぞれ。予備知識は鑑賞の妨げになる、と考える人もいるだろう。白紙の状態で作品の前に立つのが好ましい、と。でも、このような入門書を読むことは鑑賞の手引きにこそなれ妨げにはならないだろう、と私は思う。

現在火の見櫓のある風景スケッチ展を開催していることもあり、年内は美術関連本を読もうと思っている。で、『楽園のカンヴァス』原田マハ(新潮文庫)を読み始めた。おもしろい!