地震 課題【テレビ番組・タレント】2011・3・25
先生の講評…情景描写の細部が生きている。
ロシア映画「戦艦ポチョムキン」を思わす。
母子を登場させ焦点が出来た。
連作シリーズをうかがわせるうまい結語。
つつじのつぶやき…
あれから14年、今朝あの後歌われた「花が咲く」を
東北ゆかりの人達が繋いだ歌声を聞きました。
当時、ビル9階のエッセイ教室で地震にあいました。
凄い揺れだ、地震、一瞬冗談でしょうと思った、
こんなに揺れる地震に遇った事がない。
教室の友達と顔を見合す。
椅子から立ち上がったが、再度の揺れに机にしがみつく。
もう終わるかと思ったが、大きな揺れが際限なく続く。
隣の列の友達が机の下に身を屈めている。
見渡すと、何人かがそうしている。
初めて、「地震の時は机の下に」と言うことを思い出した。
誰かが入り口のドアーを開けたが、直ぐに閉まってしまう。
此方の席から、椅子を挟んでと言おうとしたが言葉が出ない。
そうだ、逃げる時のことを考えなくてはいけない、
上着に袖を通した。
事務所の女性が直ぐに来た。
「宮城県の方で大きな地震が起きました、
此方は震源地ではないので、慎重に」と言ったことで我に返る。
普段からこういう時の訓練をしているのだろうが、
落ち着いた説明と対応に、慌てふためいた自分が恥ずかしい。
先生が「お家の方たちもご心配でしょう、今日はこれまでに」
と言ったことで、解散になる。
8階に降りると、書店の沢山の本が落ちて、散らばっている。
床に蹲っている人もいる。
大変な事が起きたのだ。
兎に角、外に出たい。
階段に行くと、前の方に、赤ちゃんを抱いたお母さんが、
バギーを持っている。
「持ってあげるから貸して」と一緒に降り始めたが、
がっちりしたバギーは重い。
自分の鞄を抱えながら後を追うが、足がもつれて弱音を吐きそうになる。
早足で降りる母親の肩で、赤ちゃんの首が揺れる。
出口が見えた、追いついて、顔を見合わせた、若いお母さんだった。
「建物の中に居たほうがいいでしょうか」と言う。
「もうここまできたら、表に出ちゃいましょう」
食堂等で火が出れば、煙に巻かれたりする事もあるかも知れない。
何気ない日常に、こんな大きな地震に遇うとは思いもしなかった。
この後、被災地ではとんでもない事が起こっていた。