つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ 遠泳(1)

2016-08-27 16:59:13 | エッセイ

エッセイ 遠泳(1)

梅雨空を眺めていると、十年以上前の寒いプールのことを思い出す。
真夏、千葉県館山海岸で一泊二日の遠泳合宿があった。
その事前練習はきつく、思い出してもよくやったなと思う。

夜間の野外プール、梅雨時とあってよく雨が降り、寒い日が続いた。
最後の日は曇り空だったが、始まってすぐに霧のような雨がライトにけむる。

練習は四列になって進む。
一番前は四人のコーチ、その後を2メートル開けて続く。
足が届かない五〇mプールを何周もする。
角を曲がる時、外側の人は早く泳がないとついて行けない。

「横の人も見て、隊列がずれないように」
「次は1時間でーす」
「声を出しましょう、エンヤコーラ」

遠泳の泳ぎは、常に顔を水面に出した平泳になる。
私は、競泳のスタイルを覚えたので、頭が一掻き毎に水に入る。
遠泳の泳ぎ方では進まず、最後の方は苦し紛れにいつものスタイルでついて行った。

休憩をとる時の立ち泳ぎも練習する。
充分出来たと言う実感もなく終わった。
営業時間外だったのでシャワーのお湯は出ず、灯りも最小限、長雨でぬめっとした床に足がすくんだ。

合宿の初日に、波の静かな湾の中で三十分のミニ遠泳がある。
前回はここで失敗した。
泳ぎ出してすぐに大きな波がきた。
足がつかない、パニックになり浮き輪につかまってしまい、本番の遠泳には参加できなかった。
今回は絶対泳ぎきりたい。
水底から足の離れる怖さを耐えた。

さあ本番、鏡が浦は快晴だった。
館山湾の外から海岸に向かって泳ぐ。

バスを降りると、もう伴走する船が二艘待機している。
遊泳禁止の所を泳ぐから海上保安庁に届けを出し、万が一の事を想定している。

いつも冗談を言うコーチも真剣な顔だ。息が胸元に上がってくる。
後には引けない。
ぬるぬるした岩から海に入る。
がつかないあの瞬間を必死にこらえて泳ぎ出した。

   課題 【乾く・濡れる・潤う】 2016年7月22日

   先生の講評・・・連作もの。事前練習、初日のミニ遠泳、本番という
             時間の流れをおう。
             今後(2)の展開に興味を持たせる書き方だ。

 

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エッセイ 盛り場 

2016-08-14 15:29:33 | エッセイ

エッセイ 盛り場

年に2~3回、あるグループでお酒を飲む。
別に決まりは無いが、冬は忘年会か新年会、夏は暑気払い、間にはお花見であったり、誰かを元気づける会だったり、適当な旗印をたてて誘い合う。
以前会合を持っていたところが立川だったので、場所は大体立川周辺である。
毎回10人前後で、男性女性半々ぐらいの集まりだ。

先日も夏の終わりに暑気払いがあった。
間に殆んど連絡をしあわないので、皆が揃った時の会話は、前回話題になった事の続きが多い。
最初は子供がらみの集まりだったので、子供たちの就職とか、転職もしょうがないかとかの悩みごとだった。

近頃は、自分や夫の定年、職場の異動とかの話題が多く、その後の日常報告が多くなった。
会社の枠が外れた男性は、携帯電話の待ちうけ画面に、孫の写真などを入れてニヤニヤしている人もいる。
とにかく何でも肴にして、しゃべっているうちに盛り上がって酔っ払ってくる。
毎回同じパターンを繰り返してお開きになる。

表に出ると小雨が降っていた。
て、これからどうするのであろうか、お互いの行動を探り合う。
後からエレベーターを降りてきて、急に傘の忘れ物に気が付く人「チョッと待って」と鞄の中を探る人、こういう時間は苦手だ。
とに角、みんな揃った、駅に向かって歩き出すと、お祭りの神輿を担ぐ声がする。
急にみんなの顔が晴れやかになる。

「見てこうよ」
「えっ、お祭りなんだ」
「面白そう」

角を曲がると、駅前の通りに沢山の人だかりがあり、遠くの方にお神輿が見える。
小雨の盛り場、ネオンがまぶしく瞬く中のお神輿を始めて見た。
お神輿を見ているのはみんな大人だけ、子供たちの姿はない。

 【盛り場・廃墟】 2008.9・12 

 つつじのつぶやき・・・エッセイを始めて、半年を過ぎたころの作品です。
               初々しいです。

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夏休み

2016-08-07 15:02:26 | エッセイ

 穂高、大王のわさび田  (遮光幕の下にわさびが)

遅い梅雨が明けた7月末、穂高に行きました。

昨年も同じ時期に行ったのですが、
穂高の宿がとっても良かったのに

次の日泊まった白馬の宿は最悪でした。
「天国の宿」と「地獄の宿」のよう。
今年は
天国の宿に義姉と3人、2泊しました。

昨年同様、私たちには丁度いいおもてなし、
食事から温泉、心づかい、本当にリラックスしました。
駅前の田舎やの信州そば、大王わさび田、ゴムボート。

また、3日目のちひろ美術館が想像以上に良かったです。
今年から「トットちゃん広場」を加えたそうですが、
見ごたえのあるコーナーだったし、
広場には、紫のラベンダーが咲き誇っていました。

草原の木陰に寝そべって、
真っ白な入道雲と、水色の空、安曇野の空気を沢山いただいてきました。

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2016年7月 里山通信

2016-08-03 10:59:24 | 里山通信

先月6月の里山散策は雨の為に中止。
今月は何とかお天気が持ちそうな日でお出かけが出来た。

高田馬場から戸山公園にある「箱根山」へ。
山手線内で一番標高が高い44.6mの人造の山だそう。
「箱根山」から漱石山房への予定がお天気の都合で途中から
引き換えした・・・と言う。

つつじは夏風邪を引いていたが、参加したくて西武線に乗ったが、
揺れる車内で吊革につかまっていたら気持ちが悪くなり

高田馬場から引き返してしまいました。

資材置き場さんのイラストより

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