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つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ 「余裕のヨッちゃん」

2025-04-17 16:04:21 | 楽しい仲間
エッセイ 「余裕のヨッちゃん」【残したい・忘れたい】2018.5.11

       先生の講評…
           身体の反応をめぐる息子の心、母の心のストーリー。
           拒否反応を息子はクリアし、母は持つ。密な交流記。
         つつじのつぶやき…
           滑り台の高いところに立って、心細そうに私を待っていた光景は忘れられません。         
             引っ越しはつらいこともありますね。
 
 二男が五歳の夏休み、夫の転勤で広島に引っ越しし、幼稚園を変わった。
 紹介された幼稚園は、園児が多いのに園庭は狭かった。
 教室の机は全員にはいき渡わたらなく、園児の居場所は椅子だけだった。
 お絵かきや工作は床に腹這いになってする。
 歌の時間はピアノの音に負けないよう大きな声で歌い、先生の声も大きかった。

 それまで通っていた幼稚園は、保育大学の付属で園庭も広く、遊びを通して
 個性を大切に、子供が興味を示したものは、じっと見守り耳を傾けてくれた。
 ピアノは無く、わらべ歌を優しい声できれいに歌う。
 と言うのだったから、その違いに相当驚いたようだ。

 お迎えに行くと、息子は滑り台の高い所にぽつんと立って待っている。
 ひと月程経った頃、変な呼吸をしている。
 「ヒック」鼻をすすると言うのでもない、所謂チックの様だった。

 水泳教室にも通いだしたが、それも嫌だったようだ。
 「今日は少しお腹が痛い」とか、「何だか足が痛い」と行きたくない信号をだす。
 「お弁当はしっかり食べられたのだから、頑張ってみようよ」と言いながらプールに連れて行く。
  
 帰り道、自転車の後ろに乗のせた息子に、「すごいね~、息継ぎが出来たじゃない」と言うと、
 「余裕のヨっちゃんよ」、さっき迄とは打って変わっていつもの屈託のない声を出す。
 身体を動かしたことで自分をとり戻したらしい。

 それからは我が家のピースサインは、「余裕のヨっちゃん」、となった。

 今、私は隣町の歯医者に通っている。
 最新の三D撮影をし、細かい所の情報を見ながら治療を進めますと、
 丁寧な説明をしてくれる。
 だが、目隠しをされ、何かわからない器具を口に入れられての治療は怖い。
 自分では割と我慢強い方だと思っているが、体に関することにはとても緊張する。
 早く終わって、「余裕のヨっちゃんよ」とピースサインをだして解放されたい。
 




            


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