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つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ 庭の雪

2025-02-02 07:15:24 | 楽しい仲間
 庭の雪  課題【歌う・踊る・話す】2012.2.10

    先生の講評…引用と想像、創作を組み合わせ単純さを(?)っている。
          マッチ売りの少女を思わせる切なさはある。
    つつじのつぶやき…2025年節分の今日、東京では雪の天気予報でしたが小雨の静かな朝です。

今朝、東京にも雪が降った。
年末からカラカラお天気が続いて、乾燥注意報が毎日出ていたが、これでやっと解放される。
雪が降ると、随分前に読んだ「歳時記」を題材にした中の、小さな一文を思い出す。
二月の章だったと思うが、東京は二月になると、柔らかな雪が結構積もることがあるという。

若いお母さんが、子供が小学校に入ったので、学校から帰ってくる午後二時迄、
パートタイムで働きに出た。
ある日、雪が降りだし結構積もった。
職場では風邪が流行っていて、何人かが休んだ。
上司が「済まないが二時間だけ延長して働いてくれないか」と言われ断れなかった。
初めて子供が帰ってくる時間に居てやれないことの不安がよぎったが、
もしもの時は、庭の片隅の、在る場所に鍵を置いておく事を教えていたので、
大丈夫だろうと仕事を終えた。
冬の夕暮れは早い。
薄暗くなった雪道を買い物をして帰ってくると、家の明かりが点いていない。
庭に回ると寒いコンクリートの片隅に子供がいた。
驚いて訳を聞くと、雪が積もっていて鍵の場所が分からないという。

この話を思い出しながら、自分の中で空想を膨らませる。
子供を持つと親は強くなる。
庭付きの建売住宅を買って、つつましく暮らしている。
子供が小学校に入ったら、パートに出て経済を楽にしたいと思ったのだろう。
それを子供も判っていて、鍵が見付からなくても言われたところで待っている。

二人は、抱き合った、と思う。
子供は、お母さんは、泣いたかしら。
多分お母さんは、夕ご飯の支度をしながら、
じわじわとこみ上げるものが大きかったのではないだろうか。
私は切ないお話が大好きです。



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