エッセイ 長い昼寝
二男の昼寝が長い、疲れたのだろうか。
2~3日前から、膝の後ろを屈み込んで掻いていたので、午前中、バスに乗って皮膚科に
連れて行った。
暑い日で、バスを待っている時にはぐずぐず言っていたが、病院の中に入ると涼しくて、汗
だらけの顔がやっとほころんだ。
お医者さんの問いも、窓口で「お薬飲んでね」の声にも、ちゃんと返事ができた。
お昼御飯が済むと、早速「お薬飲む」という。
小さなプラスチックの入れ物にピンクの液体が入っているが、一つの目盛分をコップに取り、
水で薄めて渡すと、恐る恐る口にして「甘いよ」という。「よかったね」と私もホッとした。
二男は幼稚園の年少組、やっと4歳になって初めての夏休み中だった。
その日は、休み中の登園日で、夜キャンプファイヤーをすることになっていた。
夕方から幼稚園に行くのだが、私はお手伝いをするので、早めに行かなければならない。
いつもは1時間ぐらいのお昼寝でくるっと起き上がるのに、ぐっすり眠っている。
2時間たっても起きない、気になりだした。
気になったことは他にもある、冷蔵庫の前に変な向きで椅子がある。
冷蔵庫を開けると、思っていた通り、ドアポケットの一番上の棚に置いた、あの皮膚科でも
らった水薬がない。
ごみ箱の中に、空になってそれはあった。
病院に電話をすると驚いたように、何かあったら救急車を呼んでくださいと言う。
二男の様子は、ただただ眠っていると言うような感じだった。
少し汗ばんだような顔をしているが呼吸も普通、深く眠っている。
病院から電話がきた、「大学病院に問い合わせたが、そんなに危険という事もないでしょう、
幸い3日分の薬なので」という事だった。
二男は夕方まで眠っていた。
幼稚園が気になっていたので、起こすとぼんやりしている。
「お薬を飲んだの」と聞いても、知らないと言う、全部夢の中に置いてきたようだった。
課題 【加・減・乗・除】
先生の講評
今となっては夢のような至福の時間。
全体がキラキラと輝いている。
思い出のただ中の再現というより、
距離を置いているのが良い。
久しぶりに、お褒めのコメントを頂戴しました。(つつじ)