つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ 秋の七草

2016-10-28 20:59:21 | エッセイ

エッセイ 秋の七草

気のおけない人たちと、近くの里山を歩いている。
今年で十六年になる。
メンバーは余り変わらず「よく続いてるね」 が合言葉だ。
折々の話から、おおよその考え方などを察し、お互いの距離を程よく空けて深入りをしない。
月に一度と言うのも丁度いい間隔かもしれない。

最近何かの時の為に、緊急連絡先の名簿を作った。
誰がどのように対応してくれるかが分かり、少しだけお互いの家族のことを知った。

集合場所は最寄りの駅が多い。
改札の前に小さなリュックを背負っておしゃべりをしているのがいつもの仲間だ。

リュックの中はお弁当と飲み物、少しのおやつ、ビニールシートは外せない。

いつでも道草をしながらゆっくりと歩く。
「秋の七草、言える?」 と誰かが言う。
すぐに萩でしょ、ススキ、女郎花などと記憶の比べっこになる。

おすきなふくは」 と覚えると簡単よと、植物に詳しいSさんが言う。

「おは女郎花(おみなえし)、はススキ、は桔梗、は撫子(なでしこ)、はフジバカマ、は葛、は萩」

すると「春の七草は」 と話題が変わる。
七草粥を何度か作ったことがあったから、その時の記憶で、セリ、ナズナ、スズナ、スズシロ、などと言ったが全部は知らない。
このくらいは覚えないとと自分の無知が恥ずかしい。

「〇〇さん、後で全部言ってね」 と宿題をいただいた。
セリ、ナズナどころではない。
胸の内では、女郎花(女郎花)、はススキなどと口ずさむがなかなか全部は思い出せない。

さっき聞いたのにすぐ忘れる。

お昼ご飯は大抵程よい木陰を選び、シートを敷いて輪になって座る。
最近は買ってきたお弁当の人が多くなった。

今年は夏から何度も台風が来た。
季節の変わり目が分かりにくかったが、金木犀の香りが秋を知らせてくれる。

特別有名なところを歩いているわけではないが、日差しや風、道端の草に季節を感じるゆるやかな散策だ。

   課題 【秋・自由課題】  2016年10月14日

   先生の講評・・・自然の写生だけでなく、人物も点綴されている。
             会話を七草だけにしぼったのも、800字の場合は賢明。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遠泳(3)

2016-10-21 11:50:21 | エッセイ

エッセイ 遠泳(3)

海岸が見えてきた、沢山の人の声がする。

「後ひとふんばりでーす、声を出していきましょう、エンヤコーラ、エンヤコーラ」

船の上から、船頭さんも塩辛声をかけてくれる。
日焼けした顔と目があった、時々頭が水に潜る下手な泳ぎの私を見ていてくれたようだ。
手を振って応えた。

海岸は人の波だった。
やっとたどり着いた。
不思議なことに足がぶるぶると震えて真っ直ぐに立てない、砂浜を這うようにして歩いた。
団体で泳ぎ着いたからか、周りの人達も拍手で迎えてくれた。

浜で軽い反省会があった。
話すことはお互いをたたえ、褒め合う声、日に焼けた顔はやりきった満足でいっぱいだった。

船頭さんが、まだ時間があるから、よかったら湾を一回りしましょうと言ってくれた。
多くの人達は、早くシャワーを浴びるとかで宿に帰って行った。

私は乗せて貰おうと思った。
手を上げ、又海に入った。向こうで船頭さんが待っている。
浜から離れたところの船までは、怖いと思わなかった。

船は小さな漁船だった。
海面に近いから簡単に這い上がれると思っていたが、どこに足を掛けたらいいのか分からない、よじ登るのが大変だった。

私は乗り物に弱いのに、この時は高揚感で気持ち悪くならず、波の荒い外海から、遠くにみえるカラフルな海岸を見て、何か分からない大きな気持ちになった。

今思い出してみると、「足がつかなくて怖かった事」「プチトマトが美味しかった事」と、本当はこれも書きたかった、トイレの事がある。

二時間以上、水の中にいるとトイレに行きたくなる。
隣のコーチにお腹がパンパンだと言うと、泳ぎながらしなさいと言う。
後ろの人に悪いと言うと、みんなそうしてる、クジラもよ、と言う。
「トイレ、トイレ」とお腹をきつく押したがうまくできない。
大きな波が来てフッとそのことを忘れた時、自然に出来た。

課題 【秋・自由課題】   2016年9月30日

先生の講評   ・・・青春の健気な時代の心と体が、素直に思い出され書けている。
             行替えに工夫の跡が見える。

つつじのつぶやき
          
・・・赤字の部分は褒めていただきました。
            先生は若いときの事と読まれたようですが、五十代の終りの事です。

            遠泳は、私の小さな胸に仕舞ってある数少ない金メダルです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エッセイ 遠泳(2)

2016-10-17 07:57:06 | エッセイ

エッセイ 遠泳(2)

水に浮かんで、思っていたより体が軽いような気がした。
緊張で力の入っていた体が少しずつほどけたようだ。
だが、しょっちゅう変わる海流にスイスイとは進まない。


コーチが声をかけてくれるが、小さい声で「大丈夫です」と答えるのがやっと、話しにも加わらず聞いているのが精いっぱい、無駄なエネルギーは使いたくない。

さすが外海になると波が激しい、チャップンチャップンと尖った波が顔にかかり塩辛い。
遠くを船が通る。かなり離れた所なのにその余波が長い間続く。 

泳ぎ出して三十分もしたころから、コツが飲みこめてきた。
遅れる様だったら私の奥の手、競泳スタイルの平泳ぎを使う。
練習の時のようには注意されない。
進む、進む、だけど海水も喉に染みる。

誰かが「靴下が伸びちゃった」と言っている。

海に入る前、顔には日焼け止め、体は冷えを防ぐオイルを塗っていた。
また、水着の下にTシャツとストッキングも履いた。
肩の日焼け止めと冷えを防ぐ為に。
だが、ストッキングのつま先を切っておかなくてはいけない。
それをしていなかった為、泳ぐたびに水の重さで伸び、ゆらゆらと邪魔をする。

一時間たった頃休憩になった。男性コーチが引っ張ってくるのは大変なんだよ」言いながらと浮き輪を廻してくれた。
それにみんながつかまった。
塩水で粉を吹いたような顔がそろった。

船からおやつが下され、配られる。
冷えたプチトマトが、塩水を飲みこんだイガイガの喉に染みた、何個食べただろうか。
飴をほおばり膨らんだ頬、海の真ん中で贅沢なおやつだった。

その後は大きな波が来ても、もう海の子になったみたいに波に乗った。

今迄泳いだ距離を確かめたくて振り返る。
大きなビルや鉄塔のような物は小さくならないが、角度が変わって見えるのは海流のせいだったのだろうか。

   

   課題 【お菓子・おかず・主食】 2016年9月9日

   先生の講評・・・海で遠泳する体と気持ちの間隔が伝わる。
             ただし赤線の部分がビジュワル的によく分からない。
             別の表現は?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

箱根駅伝予選会

2016-10-14 08:47:32 | つぶやき・・

立川の昭和記念公園で、箱根駅伝の予選会があります。

駅には各大学の旗がそのことを教えてくれます。
急いでいたので(言い訳)ピンボケの写真ですみません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ほととぎす

2016-10-12 07:17:03 | お部屋のこと

小さなアプローチの足元に、毎年ほととぎすが咲きます。

コンクリートを打つ時、所々土を盛れる様にしました。
ほんとに小さな隙間、雨水もかからない所なのに頑張って咲いてくれます。
可愛くて一枝たりともはさみを入れる気がしません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仲良し

2016-10-02 15:36:14 | 夫と・・・・。

 

朝食はパン、夫と二人の食事も長くなりました。

このお皿は、今まで使っていたものより3センチも大きいので

仕舞うところが限られるので迷っていたのですが、
使い込んだお皿にひびが入ってしまったので
思い切って買いました。

「ペア」の可愛い絵柄は、新婚時代に戻った気持ち。
パンくずも受けてくれてまあまあ良かったです。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする