つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ・暖かいズボン

2009-12-20 11:52:39 | エッセイ

 年末になると、年賀状の事が頭をよぎる。あの人は、などと考えているうちにう
ちに、大切な人を思い出してしまった。
 独身時代、渋谷の小さな商事会社に勤めていた、その時お世話になった社
長に、去年も今年もご無沙汰をしていたのだ。
 7~8年前から、亡くなった奥様のお仏壇にとお花を持って伺っていたが、一人
暮らしをしている社長は、自宅に来られるのは迷惑そうなので、最近は、駅近く
の鰻屋で会う事にしている。いつも、元の社員と会うのが何より楽しいよと言って
くれるので、大抵4~5人が、駅で待ち合わせてから食事会になる。
 どうしようとかと迷っていたが、思い切って先輩の由木さんに連絡をすると、気に
なっていたという。他の人たちは、其々に用事があったので、二人だけで行くことに
した。
 何しろ二年ぶりだ、早めに駅に着いたが、誰も居ない、社長の来る方の道を探
していたら、由木さんと出会った。
「あそこの洋品店で、軽くて、温かいズボンを売っているよ」という、表がナイロン
で、裏地がフリースのぶかぶかなズボンが見えた。
「やだ、もこもこしているからいらない」
 駅近くのベンチに、杖を脇におき、野球帽を被って、黒ずくめの洋服を着て社
長が居た、始めて見るスタイルに気づかなかったのだ。

 食事の後、喫茶店で思い出話をしているうちに、社長の服装の話になった。由
木さんが「今は、そういうラフな恰好をするんですか? そうだったら、そのうちに
温かいズボンを送りますね」
「前があいているやつな、俺は男だから」と、社長が言ったので3人で笑った。
 社長を送ってから、さっきの洋品店に寄った。
「う~ん、買おうかな」と私、「買ってあげるよ」と由木さん。
 
 ズボンの包みを抱いて、一人電車に揺られているうちに、ふっと涙が出そうに
なった。今は老いてしまった社長も、由木さんの変わらぬ優しさも、私はみんな好
きなんだと思った。

課題【一通のメール・手紙】

コメント (2)
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クリスマス

2009-12-20 11:40:12 | つぶやき・・

 月並みですが、もう直ぐクリスマス 

息子達が小さかった頃、ツリーに飾った小物達が
今年も出番です。

私達はクリスマスと言うより、
忘年会や新年会の行事が、最近の話題です。

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アンのゆりかご

2009-12-11 10:20:40 | つぶやき・・

昨日、市の図書館が主宰する講演会があり、聞きに行った。

「赤毛のアン」の翻訳家、村岡花子さんの孫に当たる
村岡恵理さんが、祖母の生涯をたどりながら
赤毛のアンの、誕生秘話などを話された。
ご自信も{アンのゆりかご」という著書を出版している。
私は、夏ごろYさんにお借りして読んだのでその事も興味深いものだった。

美しい恵理さんの、率直な語り口はとても気持ちのいいもので
「赤毛のアン」を読んでみたいと、改めて思いました。

 赤毛のアンの住んでいたであろうミニチュアの模型
Yさん撮影

 

 

 

 

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エッセイ・イタイ・痛いです。

2009-12-08 14:21:28 | エッセイ

エッセイ  イタイ・痛いです 

その春、お尻の辺りから足の先までれ、今迄感じた事のない痛さに
悩まされていた。

病院で貰った痛み止めの薬はちっとも効かず、ただ気休めに飲んでい
るようなものだった。日中も床を敷いていて、どうしても痛い時は、
眠って痛みをこらえた。昼間、うつらうつらとしているので、夜中に
目を覚ます。深夜放送を聴いたのは何十年ぶりだろう。

足が痛くても、犬の散歩はかかせない。足を引きずった私と、よろよ
ろと歩く老犬,
結構辛い組み合わせだ。

テニスから帰る友人に出会った。

「元気?」何時もは、元気よと返す言葉が出なかった。

「どうしたのかずーと痛いのよ」

「テニス仲間が、口コミで行く整体があるよ」 整体は行った事がな
かったが、この際何でも試したいと思った。

予約を取って、次の日出かけた。待合室で待っていると「痛い、いた
い」とうめき声が聞こえてくる。若い整体師に促されて、小さなベッ
トに
うつ伏せになった。

最初はマッサージのように始まったが、段々きつくなる。半月もかば
ってきた足を思いっきり曲げられた。歯を食い絞って耐えようとした
がどうしても我慢が出来ず、「イタイ、痛いです」と声が出てしまっ
た。

そして、院長の診療が始まった。屈強な身体の院長は、にこやかに、
痛みの様子を聞いてくれた。私はこの半月の辛さ痛さを語った。

「多分、背骨と足の骨を繋ぐ大腰筋が緩んだかと思われます。チョッ
と痛いけれど良くなるでしょう」と言って治療が始まった。

「ギャー、痛い、イタイ」突然背中から押さえ込みされ思わず悲鳴が
出た。絶叫マシンに乗っても、こんな悲鳴は出ないだろうと思った。

目頭に涙がにじんだ初めての整体を終わって、よたよたと表に出た。
う、痛くない、真直ぐ立てる。

治療をした後は痛みが消え、その時間が少しづつ延びたが、サボると
元の痛さが戻ってくる。その繰り返しをしながら7ヵ月通って、足の
痛みから解放された.
 
課題【苦・楽】より

何年か前の話です。
パソコンの前に長いこと座っている事があって、冷えと運動不足から、
股関節を痛めてしまいました。
その時の辛さで学んだ事は、無理をしない(出来なくなったという事)
適度な運動をする、です。(時々、サボりますが)   

 

コメント (4)
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