エッセイ あはは…… 【春・自由課題】 2015.4.10
近くのバス停へ自転車をこいでいた。
天気予報ではお出かけ日和だと言っていたが、頬に当たる風が冷たい。
夫が追いついてきた。
「寒い、首巻を忘れた」
「首巻ってなに、襟巻のこと?」
「そうとも言う」 …… ユーモラスな表現。夫婦の姿がこの一言で目に浮かぶ。(先生の講評)
それを言うのならマフラーでしょう、はははと笑いが止まらず、急ぐのを止めた。
里山を歩くグループでも、よくこの手の話題に花がさく。
夫がね「鼻っ紙を取ってくれ」っていうのよ、テッシュペーパーのことよとSさん。
私が「衣紋かけ」っていうと「ハンガーでしょう」と、いつも息子に言われるとTさん。
私も「メリケン粉を入れるの」と言ったら、
「メリケン粉って何」
「知らないの、うどん粉のことよ」
「うどん粉って、小麦粉のことでしょう」
小麦粉ぐらい知っている。
私だってケーキを作る時なら小麦粉って言う。
子供の頃に母が使っていた言葉をそのままに覚えた。
両親と同居している若い人が、ポットのことを魔法瓶。
トックリのセーター等と言ったりする。
家族の共通語なのだろう。
何気なく使っていたが、時と共に言い方が変わる。
孫達の時代に.なって、「トックリのセーター」、「魔法瓶」などと言ったら、
どうして魔法がかかるのか、トックリがセーターを着るのかと、聞かれるかもしれない。
プールのロッカールームで着替えていたら、奥の方から聞こえてきた。
「あ、眼鏡忘れた」
「かけているじゃないの」
「違う、水中メガネよ」
ゴーグルのことらしい、私よりかなり年上のようだ。
先生の講評……このユーモアセンスはかなりなもの。とりわけ赤い部分が光る。
言葉は世につれる。ブラックユーモアで表現するのが憎い。
つつじのつぶやき…こんないいお天気、何処かにお出かけしたいたですね。
2015年の4月は、こんな風に、気軽にどこかに行っていたのですね。