つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ お歳は?

2017-07-27 14:11:29 | エッセイ

 エッセイ お歳は?  【自由課題】    2017年6月23日

何時も立川駅前からバスに乗る。
乗り場の先に3人掛けのベンチがあり、大抵お年寄りが座っている。

その日の午後、私の前に年配の女性が二人ベンチに座って、周りの車の音や町の騒音に負けないような大きな声で話していた。
「やっぱりリックが一番ですね、どちらで買われたのですか?」とデパートの袋を沢山抱えた一人が聞いた。
「孫からのプレゼントです」と赤い杖を持ってる一人が言った。
「私は息子から、何とかのブランド品だそうです、お元気そうですね」
「お陰様で、時々はお医者様にも行きますが」
「私はどこも悪いところがなく、何のお薬も飲んでいないのですよ、お年はお幾つ?」
「私は・・・」、それを聞いて一つ若い年を言った。

それから、荷物を多く持った人は、毎日スクワットをしている、片足立ちも出来る、大きく前かがみも出来る、いかに周りの人より若く見られるか、年齢に関することを自慢げに話した。
そして最後に 「かははっ」 とも言うような笑い声を上げる。

「今日はお刺身や何やら、こんなに荷物が増えて、主人は近くのスーパーのお刺身では食べないのです、お刺身の時はデパートの地下に買いに来るので大変です、かははっ」

「かははっ」の後、少し値段が張るが美味しいお店がどこだとか、そこに行ったらどうしたとか、またまた自慢話は続いた。

「昔は吉祥寺に住んでいましたの、あそこは静かで、デパートも近くにあって本当に良いところです」
赤い杖の人は、散々自慢話を聞かされたお返しのように、
「そうですか? 私は阿佐ヶ谷に住んでいましたよ」
吉祥寺より阿佐ヶ谷の方が都心に近いのよと自慢するように、顎を上げて言いた。

高齢になると年齢を言いたがり、聞きたがる。
私はいま暫くは言いたくない。

   先生の講評・・・人物の見方と描写が辛くてよい。
              健康、グルメおたくの高齢者の心理をつかんでいる。
              つまり、通俗を通俗と認識するシャイな目がある。

 

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扇風機

2017-07-22 14:58:17 | お部屋のこと

今、私の大、大お気に入り。
2年前に我が家に来た扇風機。
それまで寝室にあった扇風機は、
壊れないこともあって、古くて音がうるさかった。

とにかく静かなものをと探して見つけたのがこれ。
バルミューダー、9枚の羽根がしっかりと風を送ってくれるが
やわらかな風だ。
音も感じないほど静か、本当に良かった。

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エッセイ こころ旅

2017-07-05 10:01:06 | エッセイ

エッセイ こころ旅   課題 【好きな俳優・タレント 嫌いな俳優・タレント】 2017年5月26日

NHK・BSに「こころ旅」と言う番組がある。
視聴者の思い出の場所を訪ねて、その時あったことや、風景を追うと言うものだ。

投稿者が心に秘めた風景はそれぞれにあるが、名勝地は殆んど出てこない。
何でもない風景と、その時に感じたいきさつなどが手紙に綴られ、それに近い景色を訪ねて行く。
時には「夕凪の海に沈む夕日」などと書いてあればその時間に近い風景を追うこともある。

レポーターは俳優の火野正平、四人のスタッフと連なって自転車を走らせる。

番組の中で毎回食事風景がある。
地方の街道筋にある食堂の、ごく普通の定食やラーメン等、私も同じような物を注文するだろうと思う物を、美味しそうに食べる。

途中、「満開の桜より、田んぼ一面に咲くレンゲの花が好き」の言葉や、都会育ちのスタッフが怖がるヘビを捕まえて見せたり、小川の泥水の中に手を入れ何かを捕えたりする姿に、元気に遊びまわった少年時代が感じられる。

珍しいシーンがあった。
宿泊先の朝かと思われるが、旅館の浴衣を着、頭は何も被っていない坊主頭に日に焼けた頬、気取らない普通の小父さん、素顔を見たような気がした。

火野は若い時分、たくさんの浮名を流した。
ドラマでは脇役が殆どだと思うが、そちらの方は主役級だった。

当時私はどうしてそんなにモテるのか不思議だった。そんなにハンサムでもないし体格だって普通だし、何が違うのかと思っていた。
今改めて見ていると、人間が本来持っている色気のようなものが、強くあったのだろう。

二年ほど前、NHKテレビの時代劇に出ていたのを見た。
脇役だったが 「あー火野正平が出てる」と、本業は俳優の彼を、不思議な気持ちで見た。

よく仲間うちで、余興に誰かが歌う場面がある。
すぐ目の前で歌っているのを見ると、なんだかとっても可笑しくなって、ただ笑いが止まらない、そんな気持ちと一緒だった。

もう私の心の中に「俳優火野正平」はいる。

  先生の講評 ・・・ 筆者の目線が低く、なおかつ、芸能人への憧れが生活に結びついている。

 

 

 

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