つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

2013年6月 里山通信

2013-06-26 15:45:37 | 里山通信





西武線小手指から、バスに乗って誓詞橋下車。
信号の先、畑道を『トトロ14号地』へ。

14号地は、車の通る道沿いの小さな林。
護岸工事のしていない自然の川、砂川が蛇行して流れていました。

小手指の田園風景の中、砂川遺跡に。
10年ほど前には、梅の古木の下に,
びっくりするほどの福寿草が咲いていましたが、
現在は遺跡保存の
為か
当時の面影は忍べません。

12時に『クロスケの家』に着くと、待っていたように
土砂降りの雨が降ってきて、足止めになりました。

今回は参加者が少なかったのですが、お座敷に上げてもらい
しみじみとおしゃべり、ムードメーカーのMさん
発案でゲームをし、笑い転げてから、
和田園の新茶を
戴いて
いつもの楽しい里山散歩になりました。

 

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エッセイ 赤いベレー帽 

2013-06-20 10:33:26 | エッセイ

エッセイ 赤いベレー―帽

独身時代、会社の同僚、安藤さん、林さんと、いつも一緒に行動していた時期があった。

私より3つ年下の、安藤さんと林さんが仲良くなって、その後に私が入ったように記憶している。

安藤さんは、眼鏡をかけていて、固太りの少し色黒、たっぷりの髪の毛をピンで留めたり結わえたり、学生の
ような雰囲気だった。

性格は気取り屋で、時々、首を少し傾げて「なぜ」と澄ました顔をする。

林さんは安藤さんと反対に、色白ですらりとした体、髪の毛も少し茶色だった。
性格はおっとりとした自然体で、目が合うと、すぐに笑いたそうな顔をする。

一番年上の私は、単純ですぐに「いいじゃない」が口癖だったらしい。

会社からの帰りは、いつもどこかに寄り道をする。
「どこに行こうか」などと言いながら、結局、洋服を見に行くこと
になる。時々、洒落たお店に入ると、安藤さんはすぐに声を潜める。
私たちはさっきまでのおしゃべりの余韻で笑ったりすると、「しっ」と唇に指をあて、静かにとの仕草をする。
私と林さんは急には変われなくて、首をすくめる。

安藤さんはある時期から、コンタクトレンズに変え、眼鏡をかけなくなった。そして眉毛を整え、口紅も変えた。
ピンでとめていた髪の毛は、額の真ん中で分けストレートに下し、すっかりお洒落に目覚めたようだった。

ある朝、少し遅れて、赤いベレー帽を被って出社してきた。
女子社員は「えっ」といった調子で顔を見合わせが、男性は大げさに「驚いた」と声を出した。

今から30年以上前のこと、女の子は日除け帽以外、帽子を被る人は少なかったので大いに目立った。

夕方、安藤さんはベレー帽を被らなかった。
林さんと3人でぶらぶら駅に向かって歩いていた時、「ワインレッドが、すごくきれいだったの」と言った。

ベレー帽を被るのは勇気がいる。

たまたま、ワインレッドが、ベレー帽だったと、言い訳をしているようだった。

課題 【服装・装身具】

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エッセイ 玉川上水

2013-06-03 14:56:19 | エッセイ

 

家の裏手に、玉川上水が流れている。
両側の土手は遊歩道になっていてクヌギやコナラ、真っ白な花を散らすエゴの木等の雑木林がある。
下草の茂みには、アズマネ笹や稚児ユリが群生している。

四月に入ると、枝先の新芽が日に日に膨らんで、時には花でも咲いたのかと思うような華やかさになる。
晴れた日に輝く若葉もいいが、私は、小雨にけむった柔らかな緑と、落ち葉が踏み固まった土の道を歩くのが好きだ。

すぐ近くに、「寺橋」という小さな橋がある。

昔、小川寺という寺の所領が、玉川上水を挟んで両側にまたがっていたので、位の高い寺だけが架けられたとい古い橋だ。

その橋の向こう側に、息子の通った幼稚園がある。この幼稚園はバスを使わず、保護者が園まで送り迎えをする。

長男が年長組になったばかりの頃、朝から
 二男がぐずり、支度が間に合わなくイライラしていた時があった。
長男が、「僕、一人で行くよ」と言い出した。私もどこかそれを待っていたような気がする
。「えっ、大丈夫、行けるの」と言い、「お兄ちゃん凄い」と煽った。

泣いてる二男に、「お兄ちゃんは、一人で幼稚園に行ってくるね」と、園の帽子を、弟の頭に乗せて話しかけた。

「道の端っこを歩くのよ」と何度も言って雨の中を送り出した。
上水の遊歩道を黄色い傘が振り返る。寺橋のたもとには、黄色いヤマブキの花が沢山咲いている。そこに溶け込むように、
曲がって見えなくなった。

今年も新緑がまぶしい季節になった。道路の端に隣町の幼稚園バスが停まっている。
何人かの親子連れが、保母さんとご挨拶をしている。バスのドアーにつかまって、一生懸命乗り込む園児の、細い首筋が
いじらしい。
走り出したバスに、女の子が「お兄ちゃん」と手を振っている。

           課題    【車の中・道路

     講評  幼稚園二題、今昔(歳月)がよく出ている。
          下線の部分がカラフル。

 

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