エッセイ スマホ 課題【自由課題】 2020.10.9
二年前、スマホを買った。
必要なアプリは何なのか、何をしたいのかがさっぱり分からず、息子夫婦に付きあってもらった。
夫は面倒なことはしたがらない、契約内容は殆ど息子に任せた。
私達は唯々頷くだけ、新しい玩具を買って貰う気分だった。
私は、それ迄携帯電話を持っていなかった。
毎日パソコンで、メールや、知りたいことは検索するから不自由はしていない。
ただ出かける時の連絡に、周りからスマホを勧められていた。
スマホには、上手く付き合えなかった。
文字入力は時間がかかり、変換もできない。
ある時「パーマ」の「ー」この変換が出来ず「パアマ」と打った。
恥ずかしいから、送信をしなかった。
普段は引き出しの中で眠っている。
夫は仕事柄、朝のニュースを良く見ている。
バスの中で小さな画面を見続けて眩暈を起こした。
会社から救急車で搬送されたと電話が来た。
それに懲りて、アイパッドを契約してきた。
朝バスの中で熱中したらしい。
又会社から「救急車で」と連絡があった。
それ以来アイパッドは仕舞われた儘、未練なのか解約をしていない。
余り使っていない料金は高すぎる。
安いシニア向けのスマホに変えることにした。
電話会社のカウンターに三時間近く座り、提案や説明を受けた。
シムロックの解除、眠っているアイパッドの残債、古い機種を解約する違約金。
情報を移すのにもお金が掛かると、お金が絡むことばかり。
途中それのサインを求められる。
間に有るアクリル板の仕切りの向こうで、店員がマスク越しに話すが聞き取りにくい。
表情は良く分からないが、「あ、目が綺麗な男(ひと)」と、余計なことも考えながら、顔をくっつけるようにして聞いた。
結局、内容は良く分からなかったが、「そうしたら幾らかかるの?」、「それは?」。
提案の一つ一つを、金額を目安に判断したのが、我ながら可笑しかった。
先生の講評・・・的確な描写力。特に青字と紫字の部分は客観の眼がさえている。
つつじのつぶやき・・・シニア向けのスマホ歴一年。使いやすいですが、解らないことばかり。