『八国山』つながりでもう一つ、エッセイ『ミミズ』、2016年秋のことです。
来週、サークルの人たちと、又出かけます。
トトロに会えるかな?
エッセイ ミミズ 課題【危険・安全】2016.12.9
十月の空がすっきりと晴れた日、里山散策のメンバーと八国山に行った。
西武線東村山駅から、ゆっくり歩いても二十分ぐらいの距離だ。
八国山周辺はアニメ映画『となりのトトロ』のモデルとも言われる風景が残っている。
十年程前は、鬱蒼と茂った竹林が、道路にはみ出した大きな家があった。
又、広い庭に金木犀等の大木が見える家など、相当な農家だったのではと思わせる家が残っている。
そんな家の横を歩いて行くと、突然正面に八国山を背にした広い畑に出る。
屋敷林に囲まれた何軒かの家があり、その前には欅の木が二本、聳えるように立っていた。
最近その大木が切られて、のっぺりとしていたと思ったら、白っぽい今風の家が建ち、当時の面影がなくなった。
八国山に通じる道は住宅街になっている。
ゆるやかな坂道を歩いていくと、道路がとても汚れている。
桑の実が熟して落ち、人に踏まれたのだろうか。
良く見ると、木の実の落ちたのではなく、ミミズだった。
干からびたのや、まだ生きて這い回っているのもいる、信じられない数だ。
近くの人が道路を掃除してた。
「この夏から、道路の割れ目から湧いてくる、二十年住んでいるが、こんなことは初めてだ」と。
吹き溜まりの固まりをつつくと、ミミズの塊。
中から生きているミミズが動き始めたので飛びのいた。
八国山の麓は線路を挟んで北山公園があり、大きな池がある。
『となりのトトロ』の中にも、沼が登場する。
近くには、湧水が木片の遺跡を守ったと言われる下宅部遺跡があり、そういう地層なのかもしれない。
皆と「何か起きるのかしら」
「何か天変地異があるのでは」と、その話しばかりした。
十一月、ニュージーランドで地震が起き、十日後に福島県沖でかなり大きな地震が起きた。
二〇一一年の東日本大地震の十七日前にも、ニュージーランドで大きな地震があったとか、偶然だろうか。
迷っていた地震保険の更新をしよう、決心がついた。
先生の講評……のんびりしたハイキングから地震へと展開がうまい。
ミミズが不気味さのメタファーになっている。