つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ 民謡(1)

2019-11-26 16:03:09 | 楽しい仲間

 エッセイ 民謡(1) 課題【触れる・離れる】 2019年8月9日


昔勤めていた会社は、春と秋の社内旅行、新年会、忘年会とよく宴会があった。
お人好しに見えたのか、必ず何かを歌えと言われた。
私はそういう席で歌える歌は何にも無かった。
だから席に座る時は気を付けた。
端っこは良くない、正面も良くない。
なるべく目立たない所、指名されそうになったら、すぐに逃げ出せる廊下に近い席を選んだ。

それが苦痛だった。
カラオケ等無い時代、宴席で歌われるのは大抵民謡か歌謡曲が多かった。
「ほーら、ほーら早く」と手拍子で促されると、慌てて歌詞のわかる黒田節や真室川音頭等を歌った。
少し慣れた頃、歌謡曲の「くちなしの花」を歌うと、歌詞にかこつけて「失恋したの」「どう言う人が好き?」等と冷やかされ肴にされた。

友人に逃げてばかりいると話すと、高円寺の民謡教室を教えてくれた。
教室は商店街の中程にある楽器店の二階にあった。
板の間には様々な楽器やレコードのポスターが貼ってあり、そこに座布団を敷いて座る。

着物姿の先生は、何枚かレコードも出した中年の女性だった。
会員は地元の商店街の人が殆どだったが、新宿の方から先生のファンらしい男性も通って来ていた。

稽古は、初めに皆で合唱し、その後に一人一人が歌う。
大きな男性が窮屈そうに正座をし、ダメ出しを聞く姿は好感が持てた。

私は民謡に向いていなかった。
耳が悪いのか聞いてもその声が出せない。
先生が指を上や下に指して促すが出来ない。
ましてや小節等はもっての他だった。

発表会が近づき、何か一つ歌えるようにしなければいけなかった。
先生は小学校の教科書にも載っている富山県の民謡「こきりこ節」、子守歌のような単調な節回しを勧めてくれた。
土が感じられない、味のある唄には程遠い出来だったが、何とか仕上がり、初舞台に立った。

宴会で唄える唄が一つ出来た。

 先生の講評・・・古き良き昔の社内旅行の風景が、目に浮かぶように描かれている。
           レトロでセピア色の味

 

   



        

 

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エッセイ お彼岸

2019-11-20 10:21:11 | 楽しい仲間

              エッセイ お彼岸  課題【秋・自由課題】 2019年10月11日

            もう二十年近く、地元のグループで里山を歩いている。
            一人だけの男性Oさんは毎月のコースや計画を練ってくれた。
            道中、道草とお喋りで先に歩くOさんに遅れても、黙って待っていてくれる、お兄さんのようだった。

            会が始まってすぐに奥様を亡くされた。
            お弁当はコンビニの物が多かったので、昼食の時は、沢山のおすそ分けが集まった。

            Oさんはガイドブックの他に色々な提案をしてくれた。
            菩提樹池の蛍、ザゼンソウの群生、人が余り立ち入らない里山の奥、落ち葉が深く積った小金沢、
            東京湾の無人島猿島、廃線になった山梨の長いトンネル。
            「行ってみましょう」は、私達にとって冒険だった。

            暫くお休みをしていたが、今年の冬に亡くなられた。
            以前奥様の眠る霊園のことは伺っていたので問い合わせたら、もうお墓に入られたことが分かった。
            彼岸には間に合わなかったが、今月末お墓参りをする。
            お好きだった珈琲をお供えするつもりだ。

 

    

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江の島あたり

2019-11-10 13:30:06 | 夫と・・・・。

良いお天気につられて、
江の電に乗って散策・・・に出かけました。

大仏様にお詣りし昼食、鎌倉文学館と吉屋信子記念館、
帰りの電車で座れるかが問題。

何所に行っても疲れます。

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