田んぼへ行く道の途中に、廃屋があります。 その廃屋の庭に屋根より大きなクロガネモチの木があるのですが・・・・
画面の右側、真ん中よりやや下に、電球ののような物がぶら下がっているのがわかりますか? そして上の方にも。 遠目にも不思議な物に見えるので、ちょっと失礼して庭に入ってみました。
そばで見るとー
どうやらハヤトウリのようでした。 ハヤトウリは、次々といっぱいなるんだそうです。でも、なぜここに? 誰かが植えたのだろうか? とすれば、この家に住んでいたSさんでしょう。 Sさんは、夫の父のお友達でした。 義父もSさんの、亡くなってから20年たちます。 その後一人暮らしをしていたSさんの奥さんが植えたのでしょうか。それとも鳥がどこかから種を運んできた? いずれにしても、収穫する人もなく、芽生えては実をつけ、やがて地面に落ちて、春になるとまた新しい芽を出して・・・・ 何年も何年も季節を忘れることなく繰り返してきた営み。
改めて見回すと、荒れ果てて世話をする人もいなくなった庭で、ひっそりと咲いている花を見つけました。
エンジェルズトランペットー暖かいこの地方では、冬に地上部は枯れても、春にはまた新しい芽を出します。
白いサザンカ。 その清楚な姿は、廃屋でひときわ美しく見えました。
このあたりには、住む人のいない家が4軒もあります。 ひっそりと静まりかえった家の周りには木々が生い茂り、小鳥の声だけが響いていました。