雫石鉄也の
とつぜんブログ
料理の新常識
水島弘史 宝島社
この本でいっていることは三つ。
1.加熱は弱火。
2.塩は正確に計測する。
3.包丁はていねいに。
まず1番。肉を焼く時、まず強火で焼いて、表面を固めて中までじっくりと火を通す。これが今までの常識。熱いフライパンに肉を入れると、その瞬間、肉の水分が流出、アクや嫌な臭みが肉の内部に残る。冷たいフライパンに肉を入れ、弱火でじっくりと時間をかけて焼くべし。
これはテフロンのフライパンだからできるのではないか。この本で使っているフライパンはすべてテフロンだ。小生(雫石)が主に使っているフライパンは鉄だ。鉄のフライパンは使う前、まず空焼きして油を流して、油ならしをして使う。冷たいフライパンに肉をいきなり入れると焦げつく。
2番。キッチンには電卓をおいておくべし。塩少々、塩ひとつまみ。こういうアバウトな塩の使い方はダメ。おいしい計算式がある。素材の重さ×0.008=塩の重さ。塩は0.1g単位で厳密に計って使うべし。調理にかかる前に素材の重量を測って、電卓で計算して使う塩の重さを測るべし。
こんな面倒くさいことできるか。
3番。包丁で素材をたたき切ると、素材の細胞膜が破れてうまみが流れ出る。包丁はていねいに正しい握り方と姿勢で使うべし。
これはいわれなくても、小生(雫石)は実行している。速水もこみちは包丁使いが自慢らしく、トントンと派手に音を立ててキャベツを千切りしているが、あれではダメ。機会があれば勝負したいが、小生が切ったキャベツともこみちが切ったキャベツでは、たぶん小生のキャベツの方がおいしいだろう。
土井善晴さんも同じことをいっていた。包丁を飛行機、まな板を滑走路だと思って、軟着陸させるように包丁をつかいなさい。料理が上手な人のまな板はキズがない。
「だまされたと思って試してほしい」というのが本書の副題だが、総括すれば小生(雫石)は試さない。1番はケースバイケース。強火がいいときは強火を使う。実は試しに家人が鶏肉をテフロンで弱火で焼いた。確かにふっくらと焼けていた。2番は小生は実行しない。3番はいわれなくてもやっている。
さして役に立つ本ではなかった。
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