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住吉駕籠の料理


 上方落語に「住吉駕籠」ちゅう噺がおまんねん。住吉街道におる駕籠屋の噺や。駕籠屋ちゅうとクモ助とかいわれたり、あんまりええイメージちゃうけど、住吉街道みたいなとこにおった駕籠屋はおとなしい駕籠屋やった。
 この噺、その駕籠屋にいろんな人がからむ噺や。駕籠屋、道行く人に駕籠をすすめるとる。
「へー、かご。へー、かご」
「うしろへ回れ」
「へ、」
「いま、ちょうど出かかってるねん」
「だれが屁かご、ゆうてまんねん」
「いま、お前屁かごゆうたやないか」
 これ、そこの茶店のおやじ。ちりとり持ったおやじに駕籠をすすめとる。そうこうしとるうちに酔っ払いにからまれとる。
「知ってるか。おそでや」
「知りまへん」
「顔にそばかすのある。いそ屋裏に住んでた、河内の狭山の治右衛門さんの孫。ちーと見んまにべっぴんになったな」
「三文字屋へ上がって、銚子18本。ごちそうならべて、勘定がポチも入れて二分一朱や」
「ほれ、三文字屋の料理や。竹の皮に包んである。エビの鬼瓦焼き、卵の巻き焼き、イカの鹿の子焼き」

 で、その三文字屋の料理を再現したで。左からエビの鬼瓦焼き、卵の巻き焼き、イカの鹿の子焼きや。料理そのものはそんなに難しいもんやない。卵の巻き焼きはいつものワシのダシ巻きや。
 エビとイカに高こうついた。安いブラックタイガーやスルメイカやったら、うまいこと焼けへんし見場が悪い。エビは車エビ。イカはモンゴイカを使こうた。スルメイカなんかやったら薄い身やから鹿の子にならへん。
 エビは串を打って、醬油味醂酒のタレを塗って魚焼きグリルで焼いた。イカは胴だけ使う。足はジャガイモといっしょに炊いた。イカジャガや。これはこれでおいしかったで。で、イカの胴をはすかいに包丁を入れて、タレをつけてフライパンで焼いた。
 酒はいつもの桜正宗、呉春、道灌といったワシの酒ローテーションから、ちょっと浮気して天狗舞や。
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