tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

第3波急拡大は政府の読み違いから?

2021年01月09日 21時39分53秒 | 政治
第3波急拡大は政府の読み違いから?
 後手後手に回る政府の新型コロナ対策を見ていてつくづく感じることは、やっぱり政府は新型コロナの脅威を読み違っていたなという事です。

 もともと日本人は生活習慣から見ても、国民としての生真面目な態度から言っても、感染症に対する対応は、恐らく欧米人よりも確りしていたのではないでしょうか。

 例えば、家の中に土足で入らないという習慣も、言われてはいませんが、コロナ対策としては大事な事だったのかもしれません。
 また、日本人は公共の場での道徳律については、マスク着用の例でもそうですが真面目に順守します。

 今年4月、5月の緊急事態宣言の効果もこうした種々の積み上げで、大きな成果を上げたのではないでしょうか。

 この成果を見て、政府は新型コロナに対して、比較的克服し易いという意識を持ったのではないでしょうか。

 政府の安易な態度に気付いたのは7月ごろでした。その頃の政府発言は、首相以下関係閣僚ほぼ共通で、「まだ医療提供状況に余裕があるので、もう少し状況を注視して」といったものでした。

 繰り返されるこの発言には 大変な違和感を感じました。
常識的には 「・・余裕があるので」の次にくる言葉は、「今のうちに対策を徹底し早期解決を・・」 というのが本当ではないでしょうかと思ったからです。

 たとえてみれば、火事や公害と同じです。火事はボヤのうちに消し止めれば容易です。燃え広がるのを「注視して」いたら大変なことになります。公害も発生源に手を打つのが常道で、拡散してからの除去は大変です。

 初期消火重視、発生源での除去は、我々は経験から学び、政府も産業界も個人も、日本では生真面目にやられてきたことです。先ほどの違和感というのは、そうした教育を受けたことから、自然に感じることになったのでしょう。

 政府が読み違ったのは、新型コロナも、一般的な風邪などと同じ程度のものだろうと見たことでしょう。
例えて言えば、風邪をひいても、マスクをして出社して、無理せず暖かくしていれば自然治癒するだろうと考えて頑張る仕事熱心なサラリーマンと同じで、他人にうつしたら悪いといった配慮まではとても気が回らないといった状態だったのではないでしょうか。

  専門家の中には、新型コロナウィルスは容易な相手ではないという意見を持つ方多かったようです。しかし、当初、政府は専門家会議の意見は聞くが、決定は政府がするといった姿勢が明瞭でした。

 政治家には多くの利害集団がついています。そこからの声と、学術の見地からの判断を根拠にした専門家の意見との双方のバランスを適切に判断し、先行きに誤りのない政策を取ることが政府にとっては必要だったのですが、そこに読み違いが生じた様です。
 その結果が「もう少し状況を注視して」という言葉になったのでしょう。そして到達したのが現状の感染爆発です。 

 例えれば、「ボヤ」の現場で「も少し状況を注視」しているうちに、火事になり、さてやっぱり「消火」となったという事で「しょうか」。
洒落にもなりませんが、今後については上手くいくことを願うばかりです。

 一言付け加えますと、この政府の読み違いの原因がどこから来たかという事を国民は最も知りたいのではないでしょうか。 

アメリカ社会の劣化の速さに驚愕

2021年01月09日 00時22分05秒 | 文化社会
アメリカ社会の劣化の速さに驚愕
 新型コロナ感染者数の増加には、正直いって恐怖感を感じる所です。こうした感染症というのは、一旦タガが外れると、まさに爆発的なものになるという現実に、我々高齢者は勿論、若い方でも恐ろしさを感じておられる方も多いのではないでしょうか。

 そうしたさ中ですが、太平洋の対岸のアメリカで、これもまた恐るべきことが起きていたことを知って、改めて、人間社会の脆さ、弱さといったものに驚くとともに恐ろしさを感じたところです。

 トランプ大統領の、「国会議事堂に向かおう」という言葉に乗って、多くは共和党支持の普通の市民でしょうか、国会議事堂の窓ガラスまで破壊して、一時は国会議事堂得お占拠し、死者まで出すという事態が、世界随一の先進國、民主主義国アメリカで発生したのです。

 はっきり言ってしまえば、トランプの4年間、わずか4年間でアメリカは大きく変わったのではないでしょうか。

 最初は、アメリカの栄光を取り戻す、そしてアメリカ・ファースト、自尊心は高いが、現実は恵まれない人達に、民主党政権が悪い、アメリカは世界から食い物にされている、とアメリカの被害者意識を刺激し、その矛先が民主党、中国をはじめ諸外国な向けられることになり、それが次第にエスカレートしたようです。

 被害者意識で人心を掌握するという事はよくあることですが、共和党支持者には忽ちにして受け入れられ、この4年間アメリカの変容は著しいものがありました。

 今回の選挙は、大げさに言えば世界中が注視していたのでしょう。しかもトランプさんが勝つ可能性もあったわけですから、黙しつつ大きな懸念を持っていたという所だったのでしょう。

 結果的にはバイデンさん勝利で世界中ほっとしたのでしょう。
 しかしその後に起きたことはまさに異常でした。トランプさんは自分自身の被害者意識を訴える人になって、国会議事堂占拠事件が起こりました。
ここまで来て、アメリカの良識、アメリカの民主主義がアメリカ国民にとって大事なものという事が、共和党支持者の中でもはっきりしてきたようです。
 (しかし、なおアメリカは巨大なトランプ信者がいるようです。)

 ヒットラーがナチズムによる独裁に成功するまでの現実は見ていませんが、インフレや失業が時にリーダー次第で、簡単に民主主義を崩壊させたわけで、それに類似した現象を、改めて見たような恐ろしさを感じたのは私だけではないのではないでしょうか。

 建国以来240余年、民主主義国家の典型のような歴史を作って来たアメリカにしてこんなことが起きるというのは、人間社会というのはそんなに脆く、また民主主義というのはそんなに弱いものなのかという怖さを教えてくれたように思えます。 
 
 それにつけても恐ろしいのは、一国のリーダーとして如何なる人を選ぶかという問題です。これは基本的には国民の民主主義についての意識の高さによるのでしょう。

 そして意識の高さは選挙の時だけではなく、常にリーダーの行動を客観的に見る能力という意味でも大事なのでしょう。 
 トランプさんの頭の中、その行動を共和党支持者たちがより客観的に見ていれば、ここまで来る前に適切に対処することもできたのでしょう。

 是は是、非は非が、立場や身びいき、自己都合、忖度などによって曲げられるようになると、たぶん社会は混乱するのでしょう。
 矢張り民主主義は国民の意識の高さによって素晴らしかったり、ダメだったりするのです。

 さて、アメリカを横目で見ながら、今の日本の状態はどうなのでしょうか。少し本格的に考えた方が良いようなことも多々あるのではないでしょうか。