tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

トランプさんのアカウント停止される

2021年01月10日 22時33分24秒 | 文化社会
「トランプさんのアカウント停止」
 ツイッター社がトランプさんのアカウントの永久停止を決めたそうです。

 停止を決めたのは、一介の(?)民間企業で、停止したのは現職のアメリカ大統領のアカウントです。
  理由は、トランプさんのツイートが「更なる暴力を誘発する恐れがある」という事で、同社の「暴力賛美を禁じた規約」に違反するとしています。

 これは先のトランプさんの「国会へ向かおう」というツイートが、群衆による国会議事堂の一時占拠につながったことにはじまり、その後も、その行動の肯定するようなツイートが続いたことに対し
て、上記規約を適用したという事です。

 それにしても、私企業が大統領のアカウントの永久停止を実行するとうのは「さすがに「アメリカの企業は凄い」という感じを持った方も多いのではないかと思います。

 しかし、考えてみれば、あの状態の中で、国会議事堂を占拠(一部破壊行動も含む)した群衆にエールを送り、更にその動きを鼓舞するようなツイートを続けるという事になると、ツイッターの効果を利用して、社会に混乱をもたらすことは許さないという、いわば社会正義に則った行動に踏み切ったという事でしょう。

もちろんツイッター社には何の損害も与えず、見方によってはツイッター発信の効果を広く認識させる効果もあったのでないかという見方もあるでしょう。わが社は単にメディアを提供しているだけと言い切る立場もありえるでしょう。 

 にもかかわらず、ツイッター社はトランプさんのアカウント停止に踏み切り、トランプさんは有力な発言メディアを失い、意気阻喪し(代替メディアの効果は小さかったようで)、弱気な(正常な)発言を口頭でださなければならなくなったという見方も可能でしょう。
 アジテーション的な発言はツイッターではやりやすいが・・、という面もあるでしょう。

 さすがにアメリカ社会のあり方は、それなりに凄いな、日本企業だったら、そこまでやらずに、「触らぬ神に祟りなし」でしょう、という人もいるようです。

 こうしたアメリカ企業の行動に対しては、逆に「言論の自由の反する」という見方あるようで、アメリカのメディアの中でも、また日本の報道の中でも、言論の自由との関係を考える見方の紹介もあります。

 確かに言論の自由は大切です。しかし、それは「いかなる場合に、何を言ったか」という言葉の中身の普遍的な倫理性や合理性によって判断されるべきものでしょう。

権力者の発言でも、言論の自由の範囲外であれば認めないという普遍的な民主主義の立場からトランプさんのアカウントを停止したというのは、アメリカの民主主義の健全性を示すものではないでしょうか。

 「言論の自由は何のために存在するのか」、この議論が今後も徹底的に行われて、民主主義の健全な発展が進み続けることを期待したいと思います。