トランプさんが2度目の大統領に就任して3か月、トランさんは、アメリカのどの大統領も出来なかったことを就任3カ月で成し遂げたと自画自賛しているようです。
しかし、それはトランプさんという人の頭の中だけの話で、客観的に見れば、アメリカが作り上げようと努力してきた自由と民主主義を基調にした自由世界という地球上の多くの人々の望む世界秩序を、「トランプのアメリカ」実現のために分断し、破壊することを厭わない野蛮な行為になっています。
そのために、この3カ月で、自由世界は、これまでの協調による友好と発展から、分断と利害相反、時に憎悪という様変わりの煉獄に向かっているように思われます。
これは、広く世界の問題という広がりになっていますが、この方向転換を推進する「トランプのアメリカ」自体の中も、分断と憎悪が生まれ始め、デモが頻発する状況になりつつあり、さらにデモを越えて、一部には破壊活動(車に放火など)まで起きて来ているのです。
更に経済の分野では、実体経済の動きを先見すると言われる株式市場の連日の暴落が起き、ドル価値の下落といった現象がすでに顕著です。
トランプさんは「これは一時的なもの」との発言するにとどまり、その発言に合理的な説明も裏付けもありません。
関税さえかければ、アメリカ経済は容易に復活するというトランプ理論には、ノーベル賞を総なめするようなアメリカの経済学者達が、基本的に誤りといったものとの見解を示しています。
テレビでトランプさんはさすがに憔悴した表情で「一時的な苦しさも必要」などといっていましたが、このまま放置すれば、問題は一時的ではなく、アメリカ経済は致命的な長期低落路線に向かいかねません。
理由は、そう難しいものではありません。アメリカが内向きになり、自国の利益だけに固執するようになれば、どの国もアメリカとのビジネスは警戒し、出来れば敬遠ということになって、「アメリカ・パッシング」の状態が起きるでしょう。ドルの価値が下落すれば、ドルは売られ、基軸通貨の地位も揺らぐでしょう。日本も中国もアメリカ国債の巨大な保有国で、アメリカはそれを売られる事には殊更神経質ですが、ドルよりも円やユーロの方が信用出来るといったことになればどうなりますか。(かつては「何かあれば円」の時代も)。
これはトランプさんの考えている筋書きとは180度違うものですが、可能性は半々でしょう。
アメリカが、そうならないためには、アメリカ自身(トランプさん)が反省し、自由世界が望むようなアメリカでなければならないのでしょう。
トランプさんは「アメリカにに投資を」と言いますが、アメリカには十分カネはあるのです。GAFAM5社の時価総額を見てください。560兆ドルで日鉄のUSスチールへの投資2兆円(130億ドル)などは、爪楊枝の先程度でしょう。
アメリカの富を、アメリカの経営者が、ラストベルト回復のため使わないのです。理由は、それをやっても儲からないからでしょう。トランプさんの関税政策で、アメリカの経営者が鉄鋼や自動車産業に投資するようになるかどうか、問題は、アメリカ自身の問題なのです。
経済学的には、ドルを2割切り下げても同じ様な効果になるのでしょうが、アメリカの面子が立たないという事でしょうか。
基本は、アメリカ自身が反省して、アメリカの経営資源を有効に使うように心掛けるかどうかにかかっていると自覚する事ではないでしょうか。