tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

安易に賛成できないコロナ特措法

2021年01月19日 16時35分07秒 | 文化社会
安易に賛成できないコロナ特措法
 菅内閣は、通常国会で早期に特措法の改正を行い、新型コロナウィルスの感染拡大を防止しようという姿勢のようです。

 たしかに、新型コロナウィルスの 感染爆発がここまで来ると「新型コロナウィルス対策特別措置法」を更に厳しいものにし、感染拡大を防ぐことが大事というのは理屈でしょう。 

 しかし今回の改正には「1年以下の懲役」とか「100万円以下の罰金とか」いった、異常と感じられるような厳しい罰則がみられます。
 
 勿論、感染防止に非協力的な場合、罰則というのも、国民の安全な生活を確保する為には、現状を見れば必要との意見もありましょう。
 しかし、考えてみなければならないのは、「なぜこんな感染の爆発が起きたのか」そして一歩ひいて考えれば、日本人はそんな厳しい罰則を必要とするような国民だったのかという疑問です。

 昨年4-5月の緊急事態宣言の時を思い出してください、あの時は、文句や愚痴はありましたが、みんな政府の要請通りに「蟄居・閉門だよ」などと言いながら、素直に従っていました。

 結果、第1波は予想通りの結果を生んだのでしょう。宣言を4月から5月に1か月伸ばした政府は、その間に適切な対応を取るのだろうと思っていた人は多かったと思います。わたくしもそう思っていました。

 しかし、政府は、何もしませんでした。これでは解除すれば、また感染が増えると思った人は多かったでしょう。そしてその通りになりました。その後は、おカネのバラマキとGoToです、その結果が現状です。そしてやり直しの緊急事態宣言です。

 振り返れば、これまでの政府の取ってきた政策と、今回の「宣言」を軽く見る日本人の増加の間には関係があると思わざるを得ません。その理由は政府の言う事を聞いても事態は改善しないという「政府の政策への不信」が多く聞かれることです。
 
 今回の厳罰主義の原因を作ったのは、これまでの政府の対コロナ政策の在り方だったという事にになるようです。

 多少先走りかもしれませんが、こうした政府の態度、失敗してもその認識を持たず、生じた混乱に対して規制を厳しくしてそれに従う事を強制する・・・。これは危険な道、これを繰返して行くことが、民主主義から独裁制への道なのです。

 恐らく菅総理も、周囲の人達も、日本を独裁制の国にしようと思ってはいないでしょう。安倍政権もそうでしたが、ウソをホントと言いくるめて、それを押し通していく先には独裁制が待っているのです。

 以前の自民党は、党内に是々非々があったように思います。今は党内は「是」ばかりです。「非」は葬り去られるのでしょうか。今の自民党と自民党政権は、多分意識もせずに「目先のこと」にかまけて、危険水域の水際にまで来ているのではないでしょうか。

 アメリカでは共和党の中に、今やっと「非」を言う人たちが出てきました。少し遅すぎましたが、これは健全性が残っている証拠です。
 さて日本の場合はどうなるのでしょうか。