tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

eスポーツもスポーツなのでしょうか?

2020年01月15日 15時18分40秒 | 文化社会
eスポーツもスポーツなのでしょうか?
 随分昔の話で、ラジオだったかテレビだったか忘れましたが、スポーツについての解説の番組で、解説の人が「スポーツには『やるスポーツ』と『見るスポーツ』があります」といっているのを聞いて、「見るスポーツ」なんてあるはずないよね。それ「スポーツ観戦」でしょうと思ったことがありました。

 最近それと同じようなことを感じたのが「eスポーツ」という言葉です。
 何か変な気がしていろいろ聞いてみましたら、やっぱりコンピュータ・ゲームのことでした。

 確かに今は、あらゆるスポーツはコンピュータ・ゲームになっていて、かつての双六や野球盤は消えました。
 私も子供たちとPCでボウリング・ゲームなどをやって楽しんでいたこともありましたが、子供たちも、コンピュータ・ゲームでなくて本当のボウリング場に行きたいということになってコスト高になって参った記憶があります。

 そう考えてみると、やっぱりパソコンでボウリングをやるのは「ゲーム」、いわばスポーツのシミュレーション、疑似スポーツで、ボウリング場に行って重いボールを転がして、初めてスポーツということになるのだろうと考えてしまいます。

 しかし一方では、ゲームの世界もどんどん進歩して、あらゆるスポーツのシミュレーションから、現実ではできないような高度な格闘技などまで広範なレパートリーが生まれてきますと、ゲームの世界で競うという楽しみがますます高度化し、本格的に技を磨いてて挑戦することに生き甲斐を感じる様な水準になってきているようです。

 しかも、「e」、つまりデジタルの世界ですから、世界中で共通のゲームの技を競うことも極めて容易に可能になるわけです。
 そんなわけでしょうか、既に、eスポーツの世界大会まで生まれ、地域から国内、国際まで、多くのeスポーツの組織が出来上がっているようです。

 こうして、もう世界的に受け入れられ、プロフェッショナルも生まれ、eスポーツ人口は巨大なものになっているようですから、「あれはスポーツじゃない。ゲームだ!」といってみても始まらないのかと思い、スポーツという言葉を調べてみました。

 もちろんスポーツの発祥は、エジプトの徒競走、古代オリンピックから説き起こしてありますが、本質は「人間の体力の限界に挑む」ということのようです。
 ただ、かつては、チェスなどの盤ゲームやカードゲームを「思考力の限界に挑む」という意味で、「マインド・スポーツ」といったこともあるようです。
 
ということになると、eスポーツは「指を駆使する能力」の限界に挑むスポーツということになりますが、「指」はもともと『デジタル』の語源ですから、これは「デジタル・スポーツ」(指のスポーツ)の名が相応しいなどとも考えました。(これなら実態そのものです)

 これは冗談ですが、やっぱり「eスポーツ」は、なんとなく「スポーツ」の名にふさわしくないような気がしています。
 解説も正直で、競技会は「eスポーツ大会」などと呼びますが、一人でやっても「eスポーツ」とは言わないと書いてありました。