tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

リビア停戦の今後に期待する

2020年01月20日 23時07分13秒 | 国際関係
リビア停戦の今後に期待する
 嘗てはカダフィ大佐のもと、建国の理想に燃えていたと思われた北アフリカの国、リビアですが、この10年ほどは内戦に明け暮れていたようです。
 そのリビアにようやく平和が訪れようとしているとのことが報道され、こうした動きが、内戦で国民が苦しむ国に伝播してくれればと思いながら、昨日のニュースを聞きました。

 もう2年半前、2017年の6月に「コロンビア発の涼風」と書きました。当時のサントス大統領の呼びかけに応じた反政府ゲリラ組織とのとの間で和平が成立、長く続いた内戦に終止符が打たれたのです。

 それぞれに状況の違いはあるでしょうが、一国の中で武力を使って相争うのは国民にとっては大変な不幸でしょう。
 リビアの場合も、カダフィ大佐が国造りに努力していたころは、「日本を見習え」と言ったことなどもよく知られていましたし、豊富な石油資源による富を活用、国民にとっては良い国だったようです。

 しかし、「権力は腐敗する」の諺通り、その後は独裁政権化し、結果は内戦となり、双方に支援国がついて、泥沼化してしまったようです。
 今回、幸いにして内戦に介入した、トルコ、ロシアの呼びかけで入った停戦状態をより確実なものにするために、停戦推進を望む独仏に関係国、国連機関の代表も含め、ドイツのベルリンで多国間協議が行われました。

 そしてその結果がメルケル首相から発表され、対立してきた内戦の双方から5人ずつで委員会をつくり停戦について話し合うということが決まり、グテーレス国連事務総長からは、双方が委員会の設置を受け入れたことが報告されたとのことです。

 今日の内戦は、必ずしも実質的には内戦ではなく、内戦の国に武器を売る国があり、またそれぞれに大国の支援がついて、紛争が助長されることが多いようです。
 それによって、内戦で使用される兵器は高度化、長期化し、内戦はますます悲惨なものになっているというのが実態でしょう。

 たとえて言えば、日本の天下分け目の関ヶ原の合戦は1日で終わりましたが、もし、東軍と西軍に大国の支援がついて、より高度は鉄砲や大砲を供給したり、軍事的支援をしたりしていたならば、日本はどんなことになっていたでしょうか。

 また、もし、死の商人といわれる武器商人がいなかったら、内戦というものの様相は全く違っているのではないでしょうか。

 その意味でも、今回のリビアの例は、世界の主要国に、地球人類の平和の在り方について、改めて考えるきっかけになるべきものではないかと思うところです。
 
 メルケル首相のリーダーシップ、グテーレス国連事務総長の的確な動きなど、トラブルシューターとしての役割は高く評価されるべきでしょう。

 まだまだ残る内戦問題、シリアやアフガニスタンなどの問題も含め、一部に「代理戦争」などと言われる内戦問題について、国連のリーダーシップを尊重し、特に大国といわれる国々に、内戦の一方を支援することではなく、和平の実現のための仲介をすることこそが、地球社会の望むところであり、長い目で見れば、最も自国の利益にもなるという事を理解して欲しいと思うところです。