tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカの暴挙:覇権国がトラブルメーカーに

2020年01月05日 00時28分20秒 | 国際政治
アメリカの暴挙:覇権国がトラブルメーカーに
 付加価値の重要性を認識の基本にして経営や経済を論じようというのがこのブログの目指すところですが、今年は新年早々から論じることに嫌気がさすような事件は起きてしまいました。

 ゴーンさんの密出国があったかと思うと、次はアメリカの無人機が、イランの革命防衛隊の司令官を殺害するという事態が発生しました。
 問題の質も、影響する分野も、その大きさも全く違うものですが、 この調子では今年はとんだ年になってしまいそうです。

 地球社会で起きる様々な問題を、人々の自由と平等を正義(justice)の物差しで合理的に調整し、国際社会は平和を大切にし、それによって国内では平穏な日常が保たれ、人類の文化がより高度に発展していく事を楽しむような状態を、大多数の人間は希望しているはずですが、その中で、自分のためか、国などのためか、などなど、いろいろな理由で、社会にトラブルを引き起こす「 トラブルメーカー」は後を絶たないようです。

 特にアメリカの無人機によるイランの革命防衛隊司令官殺害の問題は、アメリカが世界の覇権国であり、その大統領が、「平和のために殺害した」と自らの手柄のように喧伝したのですから、アメリカというか、トランプさんというか、いずれにしても尋常な神経の持ち主ではないのではないかといった疑念を感じてしまいます。

 イランは即座に、それなりの報復をすると明言していますが、対抗上当然でしょう。
 これはアメリカのイランに対する宣戦布告に等しいと言いう意見も出ています。アメリカは口ではそれを否定しているようですが、行動そのものが判断の基準になるということではないでしょうか。

 思い出されるのはかつてのブッシュ大統領による、フセイン政権のイラクに対する侵攻です。アメリカは戦いに勝ったというのでしょうが、専門家によれば、これは結果的にISの誕生につながり、世界にテロ組織を拡散させるという事態を招いたと言われます。

 軍事的侵攻や殺戮、戦争といった手段によって平和を生み出すという事は、基本的に理論矛盾ではないでしょうか。

 アメリカが太平洋戦争で日本に勝ち、その結果、日本が平和な民主主義国に生まれ変わったという例をアメリカは成功体験として記憶しているのかもしれません.

しかし、、日本人から言わせてもらえば、あれが成功したのは、日本人が、戦後、 本来の思考回路を回復し、明治以来の拡張主義を反省、トラブルシューターとしての役割をきっちり果たしたからという、恐らく例外的な現象の結果だったのではないでしょうか。

 トラブルメーカーばかりの世界では、平和などは望むべくもないのではないでしょうか。