tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

夏休みとライフバランス

2017年07月31日 14時42分51秒 | 労働
夏休みとライフバランス
 明日から8月、夏休みシーズンも真っ盛りに入ります。皆様の企業の夏はどんな具合でしょうか。

 日本では多くのサラリーマンは8月中旬、お盆の際に故郷に帰省して、親兄弟、懐かしい友人たちと祖先や昔の生活を偲んだり、青春時代の思い出を旧友と語り合ったりという習慣がありました。

 それぞれの地方のお盆の夏祭りは、地方で育ち、東京で働く人の多かった集団就職時代から、いろいろな形の「リユニオン(再会)」の色彩の強いものとして、サラリーマンの夏の夢のひと時といったい意味で定着してきた時期もありました。

 しかし時は移り、今は、いわゆるワーク・ライフ・バランス、労働時間の短縮といった法律制度上の問題などという形、年5日有休消化義務論議などを含め、何か人間味の薄いもになりつつあるような感じです。

 確かに、有給休暇の平均取得率が50%を切る日本は特異な国と思われることも多いようで、欧米では「会社が有給休暇を取りにくくしている」と考えている人も多いようです。

 私のサラリーマン時代の経験で言えば、本人が何となく取らないで過ごしてしまうケースと、周囲を気にして取らないケースと、割合で言えば、半々のような感じがしていますが、皆さまの感じはいかがでしょうか。

 本来から言えば、仕事も面白いけど、自分の時間も欲しいからとサラリーマンが自分で適切に判断できるようになるのがベストでしょうが、矢張り日本人は仕事優先志向なのでしょうか。
 
 労使協議で、工場や会社自体を休みにしてしまうというのは、労使にとっては適切な方法でしょうが、これは主にメーカーの場合です。しかしこれも、せいぜい1週間でそれ以上にはなりまぜん。

 もともと「夏」休みというのは、四季がないと成り立たないことですし、3~4週間連続して休むというのはヨーロッパの一部の国の常識(気候風土の関係)であっても、一般的になりうるものではないでしょう。

 日本では、どちらかというと、正月、花見、お盆、紅葉狩りと四季折々の自然を愛でる伝統文化に従って、有給は分散取得の意識が強いようです。春と秋にはゴールデンウィーク、シルバーウィークが対応しています。

 こうした問題で、法律の果たすべき役割は、最低限に規定で、それが守れないような企業の場合、従業員が辞めてしまうか、あるいは、従業員サイドが労使関係という形で、解決できればっそれがベストでしょう。

 そして、そのベースになるのは、従業員一人一人が、自分の1日あるいは1年、さらには自分の生涯時間の中で、どれだけの時間を「ワーキングライフ」にかけ、どれだけの時間を「プライベートライフ」に充てるかのバランス、つまり、自分の人生設計(ライフプラン)の中の時間配分のバランスを確り考えるという事のように思います。