tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

回復するか「平均消費性向」?

2017年07月28日 12時16分53秒 | 経済
回復するか「平均消費性向」?
 今朝、のニュースの中で、先月(6月)の有効求人倍率が、バブル期を越えたと報道された今年の4月をさらに上回ったというのがありました。企業の人手不足感は益々強まっているようです。

 労働市場が売り手市場になるという事は、賃金水準にとっても引き上げへのボディブローになると同時に、雇用確保への安心感や賃金水準の上昇期待から家計消費についても多少前向きの影響もあればいいな、などと考えていました。

 そんな中で、これも今朝発表された、総務省の「家計調査」の今年6月分について、消費支出が1年10か月ぶりに名目・実質ともにプラスになったという報道が眼に入りました。
 そう関連して順調に物事が運ぶという事はないでしょうが、こうしたことが巧く続いていけば、景気上昇の足枷になっている家計消費にも動きが出るかもしれません。

 発表された6月の家計調査の報道では、2人以上所帯で、消費支出が前年同月を2.3%上回ったという事です。
 早速「家計調査」に当たってみますと、2人以上所帯で、消費支出は、名目で2.8%、実質で2.3%前年同月を上回ったそうです。消費者物価は0.5%上昇という事ですね。

 そこで、より詳しく調査されている「勤労者所帯の2人以上」について、さらに関連数字を見ていきますと、収入の方では実収入が735,477円(ボーナスの月ですね)で、名目で0.6%、実質で0.1%の上昇、可処分所得(手取り収入)は593,992円で名目0.7%実質0.2%の上昇です。

 一方、消費支出の方は296,653円で、前年同月比で、名目7.2%、実質6.7%増えています。
 つまり、実収入や、可処分所得よりも消費支出の方が増え方が大きいというわけです。

 去る5月31日に、「 消費不振は続く気配?」で最近2年間の消費性向のグラフを載せましたが、動きが変わるのでしょうか。

 平均消費性向というのは消費支出/可処分所得」ですから、上の数字からから計算出来るわけで、49.9%(注)です。
 では、昨年の6月の平均消費性向はいくらだったのかというと、46.9%ですから3.0%ポイントの上昇でこれはかなり大幅です。

 日本の年間消費支出300兆円が、もし3%ポイント上がれば、消費が9兆円増えて、GDPが2%近く増えるという事です。(経済成長率が2%高まる!)
 さて7月以降どうなるのでしょうか。政治は揉め、将来不安は尽きませんが、家計の財布の開き具合がますます気にかかるところです。
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(注)ボーナス月ですから低いですが、年間平均では2016年は72.2%です。