tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

FRBは方針明確化、日銀は?

2017年07月13日 11時30分50秒 | 経済
FRBは方針明確化、日銀は?
 昨7月12日、アメリカではイエレンFRB議長が、いよいよFRBのバランスシートの縮小に進む意向を表明しました。同時に、そのペースはゆっくりで、追加利上げも慎重に判断すると言っています。

 リーマンショックでアメリカ発の世界金融恐慌が発生することを、何としてでも防ごうと、当時のバーナンキ議長が進めた超金融緩和による対応策が、いよいよ後継者のイエレン議長の手で、正常化への回帰の方針が明確にされたという事でしょう。

 バーナンキさんは、金融恐慌は金融緩和で対応可能という理論の信奉者で、徹底した異次元金融緩和をやりました。それで世界の金融恐慌が救われたとは思いませんが、このところアメリカ景気はようやく、シェールオイルなどという援軍も得て、立ち直ってきているようです。

 リ-マンショックは世界中の金融機関にアメリカ債券の暴落で大穴を開け、日本でも金融機関も個人の貯蓄の大損をしましたが、その犠牲の上に、アメリカ経済は早めに回復したようです。

 日本は2013年になってそれに倣い、黒田日銀の異次元金融緩和で、円レートを$1=¥120にまで戻し、経済は陽の目を見るまでになりました。アベノミクス第1の矢でした。
 しかし、その後の2段目、3段目のロケットには点火せず、日本経済は低空飛行を続け、現状は、相も変わらず、金融緩和⇒円安で何とか景気を持たせているとの認識でしょうか。

 マイナス金利導入で躓いてからも、日銀は、相変わらず金融緩和に頼り続け、金融システムの歪みは実体経済に悪影響を及ぼすところまで来ているように思われます。

 イエレンさんは実体経済を重視する労働経済学者だそうですが、確かに実体経済を十分に見ながら、病み上がりのアメリカ経済を、ゆっくりとしてバランスシートの縮小と急がない利上げのペースで、経済活動に従事しる人たちに安心感を与えながら、金融正常化を着実に進める方針のようです。

 日銀は、いつまで 異次元金融緩和を続けるのでしょうか。政府との経済政策の摺り合わせにも問題があるのでしょうか。いずれにしても、巨大になり過ぎ、未だ膨張を続ける日銀のバランススートをどこまで膨張させるのでしょうか。
 続ければ続けるほど、政策転換のショックが大きくなるという声も聞こえます。
 方針の明確化が国民を安心させ、経済活動の指針となるのではないでしょうか。