tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

圧力一辺倒と硬軟両様

2017年07月30日 09時27分52秒 | 国際政治
圧力一辺倒と硬軟両様
 北朝鮮はロケット技術で急速な進歩をしているようです。
 比較的簡単な発射台で、飛行距離1万キロに及ぶ大陸間弾道弾を発射できるようになったなどと報道されています。

 アメリカは、本意かゼスチャーか知りませんが、極めて深刻な脅威といって、対北朝鮮の経済制裁を一層強めるという姿勢で対抗しようとしています。
 しかし、経済制裁を強めていけば、北朝鮮が「参りました。もうこんなことはやりません」と言って降参するでしょうか。

 もしアメリカが本当にそう考えているのであれば、やはりアメリカは単純な考え方の国だという事になるでしょう。
 アメリカがいかに制裁を強めても、中国やロシアは、「話し合いで解決」といい、アメリカに従うとは限りません。それぞれが、アメリカと同じ主権を持った国です。北朝鮮自身が主権を持っているわけですから、アメリカの意のままにはならないのも当然です。

 イソップの「北風と太陽」は誰でも知っている話ですが、アメリカは「北風方式」を信奉し、それに則って解決できると思っているのでしょうか。

 今の国際情勢は、西部劇の世界とは違うのです。本当はアメリカもそれを知っていて、しかしメンツもあって、「北風主義」を標榜しているのでしょうか。
 それとも「太陽の流儀」も解っていて、どこかでうまく使い分けるのでしょうか。

 知的な行動原理から言えば、「圧力一辺倒」より「硬軟両様」の方が優れていると考えるのが一般的でしょう。
 ここは、覇権国に力の誇示の最終結果と、硬軟両様で、最終的には無用な混乱や犠牲を避ける方式での予想される結果を、ともに十分シミュレーションしてみるとこが必要のように思われます。

 我々日本人にしてみれば、かつて、ABCD包囲陣などと列強の圧力一辺倒と意識した状況の中で、国民は「鬼畜米英」などと教え込まれ、最終的には自力突破しかないという結論に達し、暴発した経験があります。

 当時の日本と、今の北朝鮮は、北朝鮮の報道の様子などを見ていますと、かなり似ているように感じられます。当時と違うのは「核の抑止力」なのでしょうが、今の北朝鮮の状況を突き詰めていけば、「暴発」に至る危険は必ずしも小さくないように思われます。

 まさに人類の知恵が問われているのでしょうが、かつて、暴発した経験を持つ日本が、深刻化する現状の中で、何ら積極的な意思表示や行動もできず、単に右往左往しているだけのような状況に多くの日本人も深い憂慮を感じたりあるいは、失望、落胆しているのではないでしょうか。