tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

リーダー(基軸通貨国)の混迷は世界を混乱させる

2016年10月13日 10時47分47秒 | 国際経済
リーダー(基軸通貨国)の混迷は世界を混乱させる
 経済問題だけでなく、それを背景とする政治や国際・国内紛争も含めて、世界はかなりの混乱状態にあります。第3次世界戦争を言う人すらあります(私は人類の知恵を信じていますが)。

 この混乱を激化させないためにも、各国経済、そして世界経済の安定的発展は必須です。そのためにも、まず主要国はあらゆる経験、知識、学問を総動員して、一国経済、世界経済の安定発展への方途を模索すべきでしょう。
 第一の目標は、国内、国際を通じた格差社会化の阻止だと考えています。
 
 しかし、現状は問題が多すぎます。最も気になるのは資本主義の「マネー化」です。
 経営者が資本家にとってかわった経営者革命は、マネー資本主義の盛行で様相を一変しました。かつて「チューリッヒの小鬼たち」と言われた国際投機資本は、今や「マンハッタン、ロンドン、フランクフルト、ルクセンブルグの大鬼たち」に進化し、攻防と興亡を繰り返しながら、富の偏在、格差社会化を作り出しているようです。

 一方、福祉社会化は忍び寄る格差社会化と、先進国が一様に(先んじて日本が)悩む高齢化でその持続性が問われるようになり、一般庶民の先行き不安感を強めつつあります。

 矢張り今のマネー中心の資本主義は、根本的な資本主義のやり直し「マネーから実体経済へ」の改革が必要なのでしょう。
 そして、その前提は、本当のところを言えば「基軸通貨国アメリカの万年赤字」の是正でしょう。

 アメリカが経常黒字国になり、健全経済を取り戻し、マネー取引でファイナンスをしなくてよくなれば、G7、G20、OECD、国連での議論の様相も変わるでしょう。

 高齢化対応は「実体経済」の成長の中で計画されるようになり、余計なことを言えば、GPIFの活躍は後退するでしょう。

 アメリカの大統領選挙のあまりに情けない中傷合戦を興味本位に議論するのではなく、アメリカという猫の首に、「万年経常赤字を直すことが基軸通貨国の責務」だと、誰がどう鈴をつけるかが問われているように思います。