ゼロサム社会のマネー移動の結果は
企業というものは、その生まれからして、世の中を「豊かに快適」にするような仕事をして、その対価を受け取るという形で「付加価値」を生産し、それを賃金と利益(資本蓄積)に配分し、従業員はより豊かに、企業は資本投下でより高度な生産をするという循環を目指したものでした。
したがって、利益を多くするためには、通常、より多くの付加価値を生産することが必要でした。
その結果、付加価値生産は順調に増加(経済成長)し、それが社会全体に行き渡って、世の中はより豊かで快適になってきたおいうことでしょう。
ところが、金融業の異常な発展により、前々回の最後の書きましたように、
・資本投入 → 財・サービスの生産 → 付加価値の生産 → 賃金
・資本投入 → キャピタルゲイン → 賃金
付加価値を生まないビジネスが生まれることになりました。
上の段のビジネスは、伝統的な実業で、付加価値生産を経由して賃金や利益を増やします。下の段のビジネスは、付加価値を経由せず、おカネの動きだけのビジネスです。
昔でしたら、これは、賭博、ギャンブルで、まともなビジネスとは看做されず往々御法度、犯罪でした。
こうしたビジネスが盛行しても、GDP(一国の付加価値)は増えません。起きる事実は、ゼロサムの中で、損する人と得する人が出て、おカネの持ち主が変わるだけです。
キャピタルゲインは特定の人を豊かにしても、社会を豊かにはしません。
そして一般的に、こうしたマネーゲームではおカネを少ししか持っていない人は負け、沢山持っている人は勝つのです。
これは自明で、勝ち負けが確率とすれば、おカネのある人は勝つまで金額を増やして、賭け続ければいいのです(いわゆるギャンブル必勝法)。
その結果、何が起きるかというとこれも自明で、おカネ(富)の偏在、格差社会の発生です。
国の政策としては、お金持ちから税金を取って、それをより貧しい人に配分するという福祉政策が重要な課題で、 これは資本主義安定の基盤ですが、マネーゲームはその逆を推進します。
アメリカからヨーロッパ、日本まで格差社会化が進んでいる背景には、マネーゲームによる格差社会化のスピードが、福祉政策よりよほど早いという事も大きな要因でしょう。
キャピタルゲインへの課税は累進的ではなく、世界的に低い(日本は分離課税で20%)という事もあるのでしょう。
資本主義が生き延び、社会・共産主義が衰退した理由の一つに 資本主義が福祉の概念を取り入れたことがあると書きましたが、巨大なマネーゲーマーの登場が、資本主義の本卦還り(かつての強欲な資本家の時代への逆戻り)を齎しているのでしょうか。
格差社会では庶民の購買力は衰え、資本主義が行き詰まることは歴史が示しています。先進国経済を中心に、世界経済の停滞を見、資本主義の危機などと言われるのも頷けるところでしょう。
「 付加価値を創らないビジネス」が盛んになればなるほど、資本主義は行き詰まるという事はこうしたプロセスで現実になってきているようです。
企業というものは、その生まれからして、世の中を「豊かに快適」にするような仕事をして、その対価を受け取るという形で「付加価値」を生産し、それを賃金と利益(資本蓄積)に配分し、従業員はより豊かに、企業は資本投下でより高度な生産をするという循環を目指したものでした。
したがって、利益を多くするためには、通常、より多くの付加価値を生産することが必要でした。
その結果、付加価値生産は順調に増加(経済成長)し、それが社会全体に行き渡って、世の中はより豊かで快適になってきたおいうことでしょう。
ところが、金融業の異常な発展により、前々回の最後の書きましたように、
・資本投入 → 財・サービスの生産 → 付加価値の生産 → 賃金
・資本投入 → キャピタルゲイン → 賃金
付加価値を生まないビジネスが生まれることになりました。
上の段のビジネスは、伝統的な実業で、付加価値生産を経由して賃金や利益を増やします。下の段のビジネスは、付加価値を経由せず、おカネの動きだけのビジネスです。
昔でしたら、これは、賭博、ギャンブルで、まともなビジネスとは看做されず往々御法度、犯罪でした。
こうしたビジネスが盛行しても、GDP(一国の付加価値)は増えません。起きる事実は、ゼロサムの中で、損する人と得する人が出て、おカネの持ち主が変わるだけです。
キャピタルゲインは特定の人を豊かにしても、社会を豊かにはしません。
そして一般的に、こうしたマネーゲームではおカネを少ししか持っていない人は負け、沢山持っている人は勝つのです。
これは自明で、勝ち負けが確率とすれば、おカネのある人は勝つまで金額を増やして、賭け続ければいいのです(いわゆるギャンブル必勝法)。
その結果、何が起きるかというとこれも自明で、おカネ(富)の偏在、格差社会の発生です。
国の政策としては、お金持ちから税金を取って、それをより貧しい人に配分するという福祉政策が重要な課題で、 これは資本主義安定の基盤ですが、マネーゲームはその逆を推進します。
アメリカからヨーロッパ、日本まで格差社会化が進んでいる背景には、マネーゲームによる格差社会化のスピードが、福祉政策よりよほど早いという事も大きな要因でしょう。
キャピタルゲインへの課税は累進的ではなく、世界的に低い(日本は分離課税で20%)という事もあるのでしょう。
資本主義が生き延び、社会・共産主義が衰退した理由の一つに 資本主義が福祉の概念を取り入れたことがあると書きましたが、巨大なマネーゲーマーの登場が、資本主義の本卦還り(かつての強欲な資本家の時代への逆戻り)を齎しているのでしょうか。
格差社会では庶民の購買力は衰え、資本主義が行き詰まることは歴史が示しています。先進国経済を中心に、世界経済の停滞を見、資本主義の危機などと言われるのも頷けるところでしょう。
「 付加価値を創らないビジネス」が盛んになればなるほど、資本主義は行き詰まるという事はこうしたプロセスで現実になってきているようです。