tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2016年度上半期のテーマ

2016年10月03日 14時50分42秒 | お知らせ
2016年度上半期のテーマ
2016年9月
「自動運転車」考   小池都知事の所信表明「責任の所在の明確化」が鍵   アメリカはどこへ行く   この所の日本企業の動きを見る   カローラ・ハイブリッド乗り換え1年燃費報告   金利体系の合理性回復へ?日銀の新方針   金利と貯蓄のパラドックス(低金利の罠)   低下する平均消費性向   「文殊の知恵」が泣いている   働き方改革実現会議で真剣な論議を   雰囲気変わるか日本経済?   良く使われる割に良く解らない言葉「支払能力」   大卒就活ルール:大問題の日本、問題にならない欧米   日本も金融緩和政策の出口を探せ   10万年前、10万年後   赤米の収穫   2016年4-6月期GDP第2次速報と企業の設備投資動向   「生命のバランスシート」からの発想   杭州G20、多国間より2国間?   地球の自然と人間との関係   地球環境、地球人類に嬉しいニュース   5回のナゼ:「なぜなぜ分析」の効用   日本的経営:人を生かす知恵を大事に

2016年8月
現政権の証券市場観は?   三題噺:非正規雇用、定期採用、格差社会   アメリカの利上げ:オオカミ少年の気配も?   変動相場制と固定相場制の間で   実体経済を反映した為替相場が合理的だが・・・   アメリカ、ドイツ、日本:変動相場制の中で   やっぱりメジロの雛でした   稔るほど こうべを垂れる 稲穂かな   あらゆる手段で行き過ぎた円高阻止を   バイデン発言の提起するもの?   2016年4—6月期GDP速報の主要点   戦争における先進国と途上国: 8月15日雑感   赤米の出穂・開花   原発廃止は日本経済の起爆剤?   中国の海洋進出の背景   変動相場制は怠惰を正当化?   世界経済不振、元凶は変動相場制?   原爆投下の責任・謝罪論議を超えて   リオと広島:戦争も平和も人が作るもの   行き詰まる金融政策   ツイッターと言語文化   年齢階級別平均消費性向:前回の参考データ   政権も消費性向の低下に関心?   

2016年7月
GPIFの株式運用問題の難しさ   相次ぐ財政・金融政策、効果のほどは?   「モノ言う株主」何をしようとしているのか?   先進国とは何か? 国連・ユネスコの役割は?   「家族」と「国家」の共通点と問題点   公共投資志向か? アベノミクスの新たな展開   為替レートの安定を大事にしよう   賃金問題への補足:格差の少ない日本の賃金制度   最近の賃金問題についての補足など:日本的経営と賃金   経団連、同一労働・同一賃金に異議   より高度な産業・地域、国民経済の創造をリードする金融機関、金融システムへ   金融システム劣化の一面:リスクは誰が   金融システムの劣化ではないのか   参院選の結果が今の民意・・・   蓄電技術とスマート送電網   1ドル100円では日本経済は厳しくなる   日本は「普通の国」に堕すのか?   2パーセントインフレ目標は撤回を   金融政策の副作用は金融政策では直らない  経済実態と合わない政策が問題では

2016年6月
ゲンジ蛍幼虫孵化始まる   EUとイギリス:問われるヨーロッパの知恵   ポピュリズム、短期視点、思索の欠如   瑠璃二文字とオオシオカラ蜻蛉(雌)   統合か分裂か:地球市民   現状の日本経済に似合う為替レート   ワーク・ライフ・バランス再考   消費性向低下と政治不信   日本の家計の将来不安は不可避なのか?   所得・資産と消費行動:格差社会化と消費支出   「格差拡大」「将来不安」「政治不信」   「流動性の罠」の逆襲   赤米の田植え   「リーダー」と「諺」と「ロールモデル」   2016年1~3月GDP第二次速報   蝮の顔をした芋虫   ベーシック・インカム考   アベノミクスの基本的な勘違い   経済政策の前提条件:「円高回避」   消費増税延期の経済計算   国連を育てることの重要性

2016年5月
ゲンジボタル羽化   日本人の心打つ世紀の和解   リーマンショック前、洞爺湖サミットの轍、世界経済は分岐点???   トランプ思想と日本   5S活動の歴史研究に敬意   合計特殊出生率上昇続く   残念だった仙台G7   カローラ・ハイブリッド燃費報告   2016年1~3月期GDP速報   日本経済の立ち位置の再確認   日本の賃金制度、日本的経営、日本の伝統文化   日本型賃金制度をどう裁く   オバマ大統領広島平和公園訪問   タックスヘイブン問題、追補  タックスヘイブンと世界経済   鳥の巣箱、スズメの逆襲   変動相場制の不都合な点   伊勢志摩サミット、財政出動か為替問題か?   みどりの日:緑色とりどり   要注意、アメリカの変化   電気の貯蔵技術を国家戦略に

2016年4月
2015年度(平成27年度)下半期のテーマ   人を育て協力しあう楽しい企業・職場環境を   働くことの意義づけから働き方を考える   働くということ:日本人の知恵は?   今年の蛍、新規蒔き直しに   日本郵政、資金の海外運用へ   シジュウカラ、中間報告   パナマ文書、法人税減税、減価償却率   アベノミクスの評価いろいろ   国際投機資本はストーリーテラー?   小さな春、庭の花々   熊本地震お見舞い   G7代表の広島平和公園訪問の意義   リーダーとフォロワー   おカネの役割の限界: 取引と贈与    この花なんの花?   雇用・賃金構造正常化の兆しか   日銀短観の経済減速をどう見るか   どんな経済政策が可能か4、コンセンサス社会の作法の具体例   スズメもトライしましたが・・・   どんな経済政策が可能か3、民間の力で景気回復を試みる   どんな経済政策が可能か 2、コンセンサス社会では相談が大事

日銀短観(2016/9月):企業、円高に苦しむ?

2016年10月03日 12時49分00秒 | 経営
日銀短観(2016/9月):企業、円高に苦しむ?
 今日、9月度の日銀短観が発表になりました。
 一年前も短観の様子を書いていきますが、当時の企業の感触は「短期慎重、中期強気」というものでした。
 今回は、あまり景色が良くなくて、大企業は慎重、中堅・中小はいくらか弱気といった様子のようです。

 まず景気全体を見ての景況感ですが全産業・全規模の景況を表す数字は、「最近(現状)」が5、「先行き」が2で、6月調査からほぼ横ばいです。
(数字は「良い」-「悪い」の%ポイント差で、プラスなら景況感が良いと答えた企業のほうが多いという事です「さほど良くない」は中立とみて勘定に入れなせん)。

 中身に入れば、
 製造業大企業は、最近、先行きともに6、中堅企業では最近3、先行き1、中小企業では最近-3、先行き—5、
非製造業では、大企業は最近18、先行き16とまだ良い方で、中堅が最近15、先行き10、中小では最近1、先行き—2という状態です。中小程先行きに悲観的です。

 製品・商品の需給判断では、大企業・製造業で、国内需給が最近が-11、先行き—11で需要不足・供給過剰、海外も最近-7、先行き—8です。販売価格判断は最近・先行きともに-10で価格下押し予想です。

 当然収益率も下がってきます。経常利益率(計画値)を見ますと全産業・全規模で、2015年は4.91%(実績)が4.55(計画値)へ低下、製造業は、6.25から5.58、非製造業は、4.29から4.07へ低下となっています。
 利益率の数字は大企業のほうが高いですが、下げ幅は大企業のほうがきついといった傾向が見られます。

 こうした状況の中でも企業が頑張っているのが設備投資です。土地投資を除きソフトウエアを含む企業の設備投資は、2016年度も前年度比6%増(2015年度は同9.4%)とプラスを維持し、これは大企業のほうが大きく、製造業のほうが大きい傾向です。
 何とか技術革新、製品高度化で新たな展開をつかみ取ろうという努力でしょうか。

 全般的に見て、この調査では一般的に企業は「先行き」については厳しくみる傾向がありますが、現状を底入れとみるかどうか微妙なところでしょう。

 ただこの調査で基本的に気なる点があります。それはこの調査の「参考」として記載されている数字で「事業計画の前提となっている想定為替レート」です。
 想定レートは、2016年度通期で1ドルが107.92円、上期108.44円、下期107.42円(大企業・製造業)というもので、今日の状態からすれば現実離れしているものです。

 おそらく現場の企業は、こうした想定レートを置きながら、現状の101円がらみの円高への対応努力を日々重ねておられるのでしょう。
 ちなみに、「政府経済見通し」の平成28年度の為替レートは122.6円でした。