2023年5月13日の産経新聞報道によれば、13日に閉幕したG7財務省会議では、債務問題を抱える途上国の債務の透明性を高めることで合意したと言う。G7、パリクラブ、主要債権国会議で貸付データを世界銀行と共有し、世界銀行が持つ債務国のデータと定期的に照らし合わせる取り組みを拡大させていくことで合意した、とのことである。
今後、主要債権国の中国を巻き込んだ取り組みにしていけるかが焦点となる。世界銀行は13日、これまで債権国が提供したデータを初めて突き合わせた結果、合計65億ドル(8800億円)のズレがあったと発表した。予備的な調査との位置付けではあるが、こうした取り組みを進めるとともに債務データの修正も行う方針、ということだ。
これはつまりどういうことだろうか?
この記事が言わんとしている内容をざっくりと翻訳すると下記のようになる。
「中国が発展途上国に(不当な貸付と言えるような)資金供与をやっているのだが、その金の流れを全部把握していこうという取り組みが始まった」
…ということである。
今回はこの件について評論家で情報史学者でもある江崎道朗氏と経済評論家の須田慎一郎氏の解説を基調にして記してゆく。
発展途上国に対する中国の資金供与(不当な貸付)で有名な事例と言えば、「スリランカに金を貸して返せないものだから、スリランカの港の使用権を強制的に奪う」、というものがあった。この事例は当ブログでも以前取り上げたことがある。下記記事を参照されたい。
『極めて危険な中華思想の野望は現在進行中』
冒頭の記事の件は、中国が悪徳事業者のようなことをやっている実態を徹底的に炙り出して、中国がいかに酷い高利貸しで凶悪な国であるかという実態を途上国に宣伝・告知することが大きな目的の一つである。
それと共に金の流れの実態をクリアに見せていく事も目的である。例えばある国に対して中国から1000億の供与があったとしても、実際はその国の権力者に500億抜かれていた、という事例が実はいっぱいあるのだ。要は中国の資金供与は汚職・腐敗を生み出し、庶民を弾圧する権力者を肥え太らせるだけであり、結果として全体主義を拡大しているだけ、であること・・・そのような実態を調査しよう、というのが今回の意図なのである。
アジア・アフリカ諸国の庶民の人々に「あんたの国の指導者が中国と組んでいる事がどれだけ酷い(ヤバい)ことなのか」を知らせる必要がある、ということだ。それぞれの国の政治的腐敗を止めると共に、「中国と組んだら自分たち(庶民)は弾圧されていくのだ」という実態(*1)を知らせ、自由と民主主義を守る、というのが今回の試みなのであり、なかなか良い取り組みと評価できよう。
ただし・・・これをやられると中国や中国とズブズブな利権政治家たちには脅威であろう。
だから、この取り組みは日本に対してもやった方が良いと思われる。中国利権に群がる腐敗した政治家の実態を知らせる事になるからだ。また、日本の特定事業や企業のメンバーはどのように中国と金の流れがあるのかを明らかにする事にもなる。永田町には中国から不当な利益を貰っている政治家たちが多くいる事が明らかになるのであり、それは良いことである。その意味で、データ共有や透明化は高く評価できよう。
こんな話もある。
突然だが、「たこ焼き」の話をする。
実はたこ焼きに使うタコに日本産は適さないのである。理由は「水分量が少ない」からだ。ならば、何処のタコが適しているのか?
水分量が多いのは、かつてはモロッコのタコであった。現在はモーリタニアのタコが使われているそうだ。
有名なたこ焼きチェーンに「銀だこ」がある。銀だこで仕入れ担当のバイヤーはシンガポールの市場でタコを買ってくるのだが、そこで売られているタコがモーリタニア産のタコなのである。
なぜモーリタニアからわざわざシンガポールを経由するのだろうか?
そこに中国企業が関わっているからである。つまり銀だこのバイヤーがタコを買う相手はモーリタニアではなく中国企業、しかも中国の中でもブラックな会社(バックが中国マフィア)なのである。
そもそも、な話をする。
そもそもモーリタニアのタコ漁は日本が教えてあげて普及させたものである。日本のJICA (国際協力機構)がそれをやったのだ。それまで主要産業もなかったモーリタニアに、色々な試行錯誤の上に「タコ漁が最適」であることを見出して現地人に教えたのはJICA職員であり日本だったのである。
元々、タコ壺漁は日本独特のものであった。それをモーリタニアの稼ぎ頭として輸出商品のトップにまで発展させたのは日本であった。その一方でモーリタニアは中国の「一帯一路」メンバーの国としても知られている。しかも中国からどんどんお金を貸し付けられていて返済できなくなっているのだ。それで「タコ漁の事業」が抵当として中国人企業の手に渡ってしまったのである。
ここからさらに酷くなる。
タコ漁の事業を手に入れた中国企業は「金は払わない」「過酷な労働を強いる」酷い企業であった。当然ながらそれでは労働者も集まらないのである。そこで、刑務所で服役中の受刑者に対して「タコ壺漁に従事するなら刑期を短縮してやる」、として働かせているのである。
そういう訳で、モーリタニアの受刑者が漁をして取ったタコを食べているのが日本人、という構図になっているのだ、現在。(*2) モーリタニアの主要産業であるタコ漁も中国に取られてしまう、という構図…。こうして中国が資金供与、つまり金を貸し付けた国は結果としてどんどん貧しくなっていくのである。なんとも酷い話であるが、このような実例が世界各国で起きているのである。(*3)
こうした実態を看過できない、ということでようやくその実態を調査する機会が来た、というのが冒頭の記事なのである。
なにしろ、資金の流れを徹底的に炙り出して悪徳闇金業者である中国の実態を調査しないと報道もされないのである。その調査の為に財務大臣と中央銀行がタッグを組んでやっていくのは良いことである。
世界中を牛耳って狂気の中華思想の実現にひた走る中国は、「人民元の世界基軸通貨化」を画策しているが、冒頭の取り組みはこれを阻止することにもなるので、中国に依る金融覇権というものに立ち向かうという意味でも有意義な試みと言えよう。
外交とインテリジェンスと経済と軍事を連動させながらどうやって中国を追い詰めていくか…中国の非道ぶりからアジア・アフリカ著国をどう守るか、という話なのである。
-------------------------------
(*1)
中国におけるウイグルや北朝鮮の実態がその実例である。
(*2)
日本はおめでたいので、日本が育てた産業を中国に分捕られた上に、そこからタコを買ってあげて相手の中国マフィアを肥え太らせる、ということを実際に今やっているのである。その意味で日本の政治家も官僚も阿呆ばかりであることがよく分かる。ワケワカメな滅茶苦茶な状況なのである。
(*3)
中国はこうして自分たちの版図を広げて、やがて世界中を中国にしてしまうゴールに向けて、今は途上国を狙い撃ちにしているのだ。中華思想を抱く中国の、これが実態なのである。
☆
今後、主要債権国の中国を巻き込んだ取り組みにしていけるかが焦点となる。世界銀行は13日、これまで債権国が提供したデータを初めて突き合わせた結果、合計65億ドル(8800億円)のズレがあったと発表した。予備的な調査との位置付けではあるが、こうした取り組みを進めるとともに債務データの修正も行う方針、ということだ。
これはつまりどういうことだろうか?
この記事が言わんとしている内容をざっくりと翻訳すると下記のようになる。
「中国が発展途上国に(不当な貸付と言えるような)資金供与をやっているのだが、その金の流れを全部把握していこうという取り組みが始まった」
…ということである。
今回はこの件について評論家で情報史学者でもある江崎道朗氏と経済評論家の須田慎一郎氏の解説を基調にして記してゆく。
発展途上国に対する中国の資金供与(不当な貸付)で有名な事例と言えば、「スリランカに金を貸して返せないものだから、スリランカの港の使用権を強制的に奪う」、というものがあった。この事例は当ブログでも以前取り上げたことがある。下記記事を参照されたい。
『極めて危険な中華思想の野望は現在進行中』
冒頭の記事の件は、中国が悪徳事業者のようなことをやっている実態を徹底的に炙り出して、中国がいかに酷い高利貸しで凶悪な国であるかという実態を途上国に宣伝・告知することが大きな目的の一つである。
それと共に金の流れの実態をクリアに見せていく事も目的である。例えばある国に対して中国から1000億の供与があったとしても、実際はその国の権力者に500億抜かれていた、という事例が実はいっぱいあるのだ。要は中国の資金供与は汚職・腐敗を生み出し、庶民を弾圧する権力者を肥え太らせるだけであり、結果として全体主義を拡大しているだけ、であること・・・そのような実態を調査しよう、というのが今回の意図なのである。
アジア・アフリカ諸国の庶民の人々に「あんたの国の指導者が中国と組んでいる事がどれだけ酷い(ヤバい)ことなのか」を知らせる必要がある、ということだ。それぞれの国の政治的腐敗を止めると共に、「中国と組んだら自分たち(庶民)は弾圧されていくのだ」という実態(*1)を知らせ、自由と民主主義を守る、というのが今回の試みなのであり、なかなか良い取り組みと評価できよう。
ただし・・・これをやられると中国や中国とズブズブな利権政治家たちには脅威であろう。
だから、この取り組みは日本に対してもやった方が良いと思われる。中国利権に群がる腐敗した政治家の実態を知らせる事になるからだ。また、日本の特定事業や企業のメンバーはどのように中国と金の流れがあるのかを明らかにする事にもなる。永田町には中国から不当な利益を貰っている政治家たちが多くいる事が明らかになるのであり、それは良いことである。その意味で、データ共有や透明化は高く評価できよう。
こんな話もある。
突然だが、「たこ焼き」の話をする。
実はたこ焼きに使うタコに日本産は適さないのである。理由は「水分量が少ない」からだ。ならば、何処のタコが適しているのか?
水分量が多いのは、かつてはモロッコのタコであった。現在はモーリタニアのタコが使われているそうだ。
有名なたこ焼きチェーンに「銀だこ」がある。銀だこで仕入れ担当のバイヤーはシンガポールの市場でタコを買ってくるのだが、そこで売られているタコがモーリタニア産のタコなのである。
なぜモーリタニアからわざわざシンガポールを経由するのだろうか?
そこに中国企業が関わっているからである。つまり銀だこのバイヤーがタコを買う相手はモーリタニアではなく中国企業、しかも中国の中でもブラックな会社(バックが中国マフィア)なのである。
そもそも、な話をする。
そもそもモーリタニアのタコ漁は日本が教えてあげて普及させたものである。日本のJICA (国際協力機構)がそれをやったのだ。それまで主要産業もなかったモーリタニアに、色々な試行錯誤の上に「タコ漁が最適」であることを見出して現地人に教えたのはJICA職員であり日本だったのである。
元々、タコ壺漁は日本独特のものであった。それをモーリタニアの稼ぎ頭として輸出商品のトップにまで発展させたのは日本であった。その一方でモーリタニアは中国の「一帯一路」メンバーの国としても知られている。しかも中国からどんどんお金を貸し付けられていて返済できなくなっているのだ。それで「タコ漁の事業」が抵当として中国人企業の手に渡ってしまったのである。
ここからさらに酷くなる。
タコ漁の事業を手に入れた中国企業は「金は払わない」「過酷な労働を強いる」酷い企業であった。当然ながらそれでは労働者も集まらないのである。そこで、刑務所で服役中の受刑者に対して「タコ壺漁に従事するなら刑期を短縮してやる」、として働かせているのである。
そういう訳で、モーリタニアの受刑者が漁をして取ったタコを食べているのが日本人、という構図になっているのだ、現在。(*2) モーリタニアの主要産業であるタコ漁も中国に取られてしまう、という構図…。こうして中国が資金供与、つまり金を貸し付けた国は結果としてどんどん貧しくなっていくのである。なんとも酷い話であるが、このような実例が世界各国で起きているのである。(*3)
こうした実態を看過できない、ということでようやくその実態を調査する機会が来た、というのが冒頭の記事なのである。
なにしろ、資金の流れを徹底的に炙り出して悪徳闇金業者である中国の実態を調査しないと報道もされないのである。その調査の為に財務大臣と中央銀行がタッグを組んでやっていくのは良いことである。
世界中を牛耳って狂気の中華思想の実現にひた走る中国は、「人民元の世界基軸通貨化」を画策しているが、冒頭の取り組みはこれを阻止することにもなるので、中国に依る金融覇権というものに立ち向かうという意味でも有意義な試みと言えよう。
外交とインテリジェンスと経済と軍事を連動させながらどうやって中国を追い詰めていくか…中国の非道ぶりからアジア・アフリカ著国をどう守るか、という話なのである。
-------------------------------
(*1)
中国におけるウイグルや北朝鮮の実態がその実例である。
(*2)
日本はおめでたいので、日本が育てた産業を中国に分捕られた上に、そこからタコを買ってあげて相手の中国マフィアを肥え太らせる、ということを実際に今やっているのである。その意味で日本の政治家も官僚も阿呆ばかりであることがよく分かる。ワケワカメな滅茶苦茶な状況なのである。
(*3)
中国はこうして自分たちの版図を広げて、やがて世界中を中国にしてしまうゴールに向けて、今は途上国を狙い撃ちにしているのだ。中華思想を抱く中国の、これが実態なのである。
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