鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第2751回】 簡単に売れない商品を売るために営業マンがいる

2018年07月12日 | 住宅コンサルタントとして
大学を卒業して入社したメーカーで、
私は最初、住設機器を売る部署に配属されました。

私は1996年入社なのですが、
その当時、会社はキッチンやバスを本格的に扱い出したばかりで
品質はイマイチ、しかも価格は髙い、
更に北海道で売るために必要な断熱材を設置する部材も無く、
今だから言えますが、本当にひどい状態でした。

お客様のところに営業に行くと、

「髙い」
「江本工業にある断熱サポートがお前のところには無いから使わない」
「施工がひどいから使わない」

と来る日も来る日もお客様から否定的なことばかり言われました。

まだ擦れていない、素直だった私は、お客様の言うことを真に受け、
上司に真剣に品質改善に取り組まないと売れない、ということを言いました。

当時の所長は、これもいまだから言えますが、超いい加減で、
口だけはメチャメチャ回る人でしたが、その上司が、

「他社よりも品質良くて、価格が安くて施工しやすければ、
営業マンなんていらないだろ!
パートのスタッフだけで売れちゃったら、お前、ウチに必要ないよ!」

「簡単に売れない商品を売るために、俺たちはいるんだよ!
だから髙い給料、もらえんだよ!」

と何度も言われました。

そして私の周りには、高くて品質がイマイチの商品でも
ちゃんと売ってくる営業マンの先輩が居たのです。

商品をお客様に買っていただくのに、
いくつかのパターンがあり、
誰しも損得だけで買う訳では無い、ということもその時、学ばせていただきました。

そして私が社会人になって4年後、
当時の会社の商品がかなり品質が向上してからは、
本当にバンバン買っていただけるようになりました。

他社よりも高い。
他社よりも品質が良くない。
他社よりも設計力で劣る。

それでもどうやったら売れるのかを考えるのがプロの営業マンです。

皆さんはプロになり切れていますか?
コメント
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