田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

10月のスキバツリアブ近縁種

2009-10-29 | ツリアブ
スキバツリアブ近縁種
津市河芸町の豊津海岸で2009.10.20の14時頃に出会った。オニシバの群生する砂浜にクズが蔓を伸ばしている。その蔓に止まったところ。
スキバツリアブのそっくりさんではあるが、いろいろと調べた結果、もはや別種としか考えられないので、スキバツリアブに近縁の未記載種としておく。
何年掛かるのか、そう遠くない時期に誰かが新種記載してくれることであろう。
全国の生息状況は良く分からないが、ネット上でスキバツリアブとして紹介されているものの中には近縁種が混じっているように思える。伊勢湾の三重県側の砂浜海岸に生息していることは確かなので、情報提供だけはきちんとしたいと思っている。

これまでこのブログでスキバツリアブとして紹介してきている個体は全て近縁の未記載種である。
本物のスキバツリアブにも会いたいものだ。海岸部には居ないのかなあ。

9月のスキバツリアブ

スキバツリアブの訪花

スキバツリアブ

ツリアブたちの初見日

マエグロツリアブの新たな生息地

シロマダラ

2009-10-28 | 三重の生き物
シロマダラ
ナミヘビ科マダラヘビ属のシロマダラDinodon orientale(Hilgendorf, 1880)

小岐須渓谷の奥、登山道の脇にある石を除けたら、蛇が居た。同行者からシロマダラだと教えてもらった。

『鈴鹿市の自然』を見ると、小岐須町小岐須渓谷滝ヶ谷橋付近及び住吉町鈴鹿青少年の森での記録があった。

三重県のレッドデータブックでは準絶滅危惧種に選定されている。

平成2年発行の『故郷の動物』(冨田靖男著)によると、「三重県では、員弁郡藤原町東禅寺、同町古田、三重郡菰野町の雲母峰(きららみね)、四日市市の垂坂山、鈴鹿市の青少年の森、津市渋見町、松阪市山室町、一志郡美杉村の三重大学演習林、飯南郡飯高町宮前、伊勢神宮の外宮、伊勢市朝熊町、鳥羽市の神島、多気郡大台町佐原、同郡宮川村、小滝、度会郡大宮町野原、同郡南勢町相賀浦および北牟婁郡海山町の船越池、伊賀地方など、臨海部から山地にまで、水平的にも、割合広い範囲で記録されている。しかし、いずれも散発的で密度は低いようである。」

豊田市発行の『豊田の生きものたち』によると、「丘陵地から山地にかけて生息しており、平野部でも見られることがあります。日中はほとんど石や倒木、落葉の下に潜んでいます。夜行性で、しかも個体数が多いとはいえないため、生きている個体が見つかることはまれで、生態はよくわかっていません。」

両書とも、シロマダラは気性が荒いとしている。
石の下に居たこのシロマダラはビクリとも動かなかった。撮影後は石を元通りにしておいた。
2009.10.18

新たな白いカラス

2009-10-25 | 
白いカラス
今月に入って、知人から白いカラスについての新たな情報が寄せられた。以前から居るシナモン色の個体とはどうも雰囲気が違う。最近のシナモンは首筋の毛がハゲ出していたが、毛がふさふさしている白い個体が芦原海岸で見られたと言う。

17,18日の両日に豊津海岸で私も出会った。いかにもハシブトガラスらしい嘴をしている。黒いカラスたちにいじめられている様子は無かった。
若々しく見えるので、あのシナモンの子供なのか。それともシナモンと一緒に生まれて久しく姿を消していた兄弟なのか。

あのシナモンカラスは最近姿を見ない。山手のほうで見かけた人が居ると風の頼りに聞いている。

生きていた白いカラス


白いカラス

白いカラス

白いカラス

そういや、7月16日には羽根の一部が白いカラスとも芦原海岸付近で出会っていた。その日以降全く見かけないが、どうしているのだろうか。
白いカラス

ヒメツユムシ

2009-10-24 | バッタ類
ヒメツユムシ♀
キリギリス科のヒメツユムシ Leptoteratura albicornis Motschulsky

小岐須渓谷の木造トイレ外壁にヒメツユムシが2個体いた。捕まえようとしたら、1個体は手の届かないところへ移動し、もう1個体はコンクリート床に飛び降りた。飛び降りたのは雌。

『バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑』によると、「体長♂10~12㎜、♀(尾肢基部まで)8~13㎜。体が軟弱で、繊細。淡緑色。前胸背板の両肩に黄色い筋が走り、翅の背面にレンガ色の筋がある。成虫期は8~11月。照葉樹林帯の林縁の常緑樹やマント群落に生息する。個体数は多い。よく灯火に飛来する。」

『鈴鹿市の自然』を見ると、やはり同じ小岐須渓谷での採集記録があった。

2009.10.18

ヒメツユムシ

灯火にマドガガンボ

2009-10-22 | ハエ目(双翅目)
マドガガンボ♀
ガガンボ科のマドガガンボ Tipula nova Walker

玄関の外灯にやってきたガガンボ。翅長は23ミリほどもある。
マドガガンボの雌である。

学名は新訂原色昆虫大図鑑Ⅲに従った。同書によると、「体長17~19㎜。翅長21~24㎜。翅のほぼ中央に特徴のある大白斑を有する種で、たやすく識別できる。胸部は灰色の霜降で、背面の灰褐条は不明瞭。腹部は背面が細く黄褐色で、両側は幅広く黒褐色。背板側縁は再び細く黄褐となる。日本全土に普通で、アジアに広く分布する。」

「Catalogue of the Craneflies of the World」によると、学名はTipula (Yamatotipula) nova Walker, 1848 、日本のほかインドのアッサム地方、台湾、中国各地にも分布する。

1950年の日本昆虫図鑑によると、学名はTipula nova Walkerとし、「体長16~22㎜。前翅長21~26㎜。体は主に暗褐色。頭部は灰黒色、複眼は黒色、小腮鬚は黒褐色、触角は12節、基部の2節は黒褐色、その他は黄褐色、第2節は頗る短い。前胸背は暗褐色、前楯板及び楯板は黒褐色であるが、灰色を帯びることが多い。小楯板以下腹背は暗褐色であるが、腹端部及び腹側は特に濃色である。翅は透明、基部及びCuより前方は暗褐色を、又その後方は灰色を帯び、Cuは特に暗色、縁紋は少しく暗色、又R及びM室の末端部及び1stM2よりR5室に亙って無色の部分があり頗る顕著である。平均棍は暗褐色、脚は暗黄褐色、腿節末端部及び脛節の中央以下は黒褐色に近い。本種は北海道・本州及び九州に産し、九州では山間部に普通である。」

さて、我が家にやってきたマドガガンボは体長が23ミリ以上はある。図鑑の記述と合わないんだけど。
2009.10.19

マドガガンボ♀

マドガガンボ♀

マドガガンボ♀

秋のウスナミガタガガンボ

2009-10-21 | ハエ目(双翅目)
ウスナミガタガガンボ
ヒメガガンボ科のウスナミガタガガンボLibnotes nohirai Alexander. 1918

鈴鹿市の小岐須渓谷で登山道の樹木をスウィーピングしていたら、ガガンボが2回入った。旬のガガンボ、ウスナミガタガガンボである。

学名は新訂原色昆虫大図鑑Ⅲに従った。同書によると、「体長13~15㎜。翅長17~18㎜。本種は翅の斑紋と色彩に著しい特徴を持つ。胸部は灰褐色で、中胸背に不明瞭な黒褐条を有し、盾板にも同色の大紋を持つ。脚は黄色だが、腿節と脛節の末端は暗褐色。付節の先端も暗色。日本全土に産し、秋に発生し、普通。灯火にも飛来する。」

「Catalogue of the Craneflies of the World」によると、学名はLibnotes (Libnotes) nohirai Alexander, 1918 となっていて、日本のほか、極東ロシア、北朝鮮にも分布するとある。

2009.10.18
ウスナミガタガガンボ

ウスナミガタガガンボ

ウスナミガタガガンボ

虫こぶヌルデミミフシ

2009-10-20 | 虫こぶ
ヌルデミミフシ
ヌルデに出来た虫こぶ ヌルデミミフシ

三重県自然環境保全地域のひとつに指定されているいなべ市の員弁大池に出向いた。
日当たりの良い散策路のあちこちにヌルデが生えている。そのヌルデに大きな虫こぶがついていた。
虫こぶの形成者はヌルデシロアブラムシ。虫こぶが大きいほど、中にいるヌルデシロアブラムシの数が多い。

ヌルデミミフシにはタンニン酸が多く含まれ、お歯黒の原料として用いられた。
ヌルデミミフシを加熱乾燥させたものは、五倍子と呼ばれ、古くから漢方薬や皮なめし剤などとして利用されてきた。
2009.10.18

ヌルデミミフシ

ヌルデミミフシ
虫こぶの中にいたヌルデシロアブラムシ 単為生殖により繁殖した幼虫たち
アブラムシの排泄物は白い蝋状となり、脱皮殻や死体も白色をしている。虫こぶ内部に見えている白い部分は、おそらく脱皮殻や死体であろう。

砂浜のウバメガシ

2009-10-20 | 樹木
ウバメガシ
ブナ科コナラ属のウバメガシ Quercus phillyraeoides A. Gray

芦原海岸に自生しているウバメガシにドングリが出来ていることに気付いた。
周辺には松やトベラ、アカメガシワなどの樹木が生えている。
備長炭の原料となる木として名が知られているが、私はこの木の名前がいつもなかなか思い出せない。ウバメガシのウバメが出てこないのである。ウバメが何の意味のある言葉なのか、どんな漢字が充てられているのか全くイメージが沸かないから思い出せないのだと思う。

何年か前に、カワラハンミョウが芦原海岸にも居るようだねえと知人から聞いたことがある。
私は10年ほど前から、この砂浜には数え切れないくらい足を運んでいるが、一度も見たことがない。
この3月にO氏から、何年か前に芦原海岸でカワラハンミョウの成虫と幼虫を確認し、報告文を書いたと聞いた。
ウバメガシが生えている辺りの砂地が少し硬そうなので、いつかはカワラハンミョウに会えるかもと思っていたが、虫屋のO氏に先に見つかってしまっては。
2年前の夏に、知人と二人で砂浜をくまなく見て回ったが、カワラハンミョウの姿は見つけられなかった。
2009.10.16

ウバメガシ

ウバメガシ

松にマツアワフキ

2009-10-19 | 三重の生き物
マツアワフキ
アワフキムシ科のマツアワフキ  Aphrophora flavipes Uhler

芦原海岸の松にマツアワフキを見つけた。
捕まえようとしたら、跳ねるように勢いよく飛んで行った。

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると、「体長(翅端まで)9~11㎜。本属の頭頂の中葉は大きく、半円状に前方に突出し、前胸背は側方隆起線を欠く。全体ほぼ淡褐色で、美しい茶褐色の斑紋を装う。本州・四国・九州・奄美諸島および朝鮮半島に分布し、マツを寄主とする。」

2009.10.16

マツアワフキ

マツアワフキ

マツアワフキ

ベダリアテントウ

2009-10-18 | 甲虫
ベダリアテントウ
ベダリアテントウ Rodolia cardinalis (Mulsant)

芦原海岸に自生するトベラの木にベダリアテントウを見つけた。体長は約3.5mm前後。

『大阪のテントウムシ』によると、「柑橘類を害するオーストラリア原産のイセリアカイガラムシを駆除する目的で、オーストラリアから導入されました。駆除には大きな効果がありましたが、テントウムシそのものも日本に帰化種として定着しています。」

なお、イセリアカイガラムシは柑橘類だけでなく、トベラやネムノキ、ヤツデなど300種以上の植物に寄生することが知られている。
もちろん、芦原海岸のトベラの木にもイセリアカイガラムシは居た。
2009.10.16
ベダリアテントウ

フタナミトビヒメシャク幼虫

2009-10-17 | 
フタナミトビヒメシャク幼虫
シャクガ科 ヒメシャク亜科のフタナミトビヒメシャク Pylargosceles steganioides steganioides (Butler, 1878)

庭のアスパラの葉がヒメシャクの幼虫に食べられている。
フタナミトビヒメシャクの幼虫だったら、ホトトギスも食べるだろうと思い、ホトトギスに移したら、やはり食べた。

フタナミトビヒメシャク幼虫の食餌植物は多く、バラ科:バラ、オランダイチゴ、シュウカイドウ科:シュウカイドウ、ヒユ科:イノコズチ、ヤマノイモ科:トコロ、キク科:ニガナ、ミズキ科:ヤマボウシ、タデ科:ミゾソバ、カタバミ科:カタバミ、ホトトギス科:ホトトギス、バラ科:ノイバラ、マメ科:ヤマハギ、キク科:キク、アオイ科:ムクゲ、ミカン科:カンキツなど。
シソ科のアオジソを食べていたとの情報もある。そして私はアスパラガスを食べるのを確認した。

終齢幼虫の体長(mm)は30-35。

この時期の幼虫が成虫になるのはきっと来年の4月頃であろう。

2009.10.11
フタナミトビヒメシャク幼虫

フタナミトビヒメシャク幼虫

フタナミトビヒメシャク幼虫

フタナミトビヒメシャク幼虫

フタナミトビヒメシャク幼虫

砂浜にアカアシクロツチバチ

2009-10-16 | ハチ目(膜翅目)
アカアシクロツチバチ
コツチバチ科のアカアシクロツチバチ Tiphia biseculata Allen et Jaynes,1930

芦原海岸。トベラの葉の中に体長11ミリほどのハチを見つけた。
中脚及び後脚の腿節と脛節が赤褐色をしているのでアカアシクロツチバチではと思う。

しかしながら、新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによれば、コツチバチ科のコツチバチ属Tiphiaは「類似した種が多いため、本書に掲載されている種も写真と記述だけから種名を特定することは困難である。」としている。
また、同書によるとアカアシクロツチバチは「体長♀7.5~11.5㎜、♂6.5~8㎜。光沢ある黒色で♀の中後腿・脛節は赤褐色。頭部の点刻は小さく粗。分布:本州。」

『鈴鹿市の自然』を見ると、同じ学名ながら、アカアシコツチバチの種名で鼓ヶ浦海岸にて10月初旬の採集記録がある。

私が出会ったこのハチは本当にアカアシクロツチバチなのだろうか。

2009.10.12
アカアシクロツチバチ

追記
神奈川県昆虫誌(2004)には、アカアシコツチバチの和名で「あまり多くないが,採れるところは例外なく砂地の付近である。多分獲物のコガネムシの種類に関係があると思う。」との説明がある。

川添昭夫氏に同定をお願いしたところ、この写真のハチはTiphia biseculata の♀に間違いないことが明らかとなった。三重県内の記録としては鈴鹿市に次ぐ2番目の記録となるようだ。私は9月に豊津海岸で体長約8mmの♂にも出会っている。

溺れるマメコガネコツチバチ雌とアカアシクロツチバチ雌

フタスジシマメイガ

2009-10-15 | 
フタスジシマメイガ
メイガ科 シマメイガ亜科のフタスジシマメイガ Orthopygia glaucinalis (Linnaeus, 1758)

田中川干潟に隣接する芦原排水機場。
マサキの木をゆすったら、一頭の蛾が飛び出してきて、すぐに地面に着地した。
褐色の地色に明瞭な黄色い二筋が特徴。前翅長が約11ミリのフタスジシマメイガであった。

開張(mm)は 21-22。成虫の出現月は 5-9月。
幼虫の食餌植物は枯葉、腐植物、鳥の巣、ブナ科:カシワ。

付近にはカワウのコロニーがある。カワウの巣とフタスジシマメイガとの因果関係はあるのだろうか。カワウの巣を幼虫が食べているのだろうか。
2009.10.12

灯火にクロヒゲヒメカゲロウ

2009-10-12 | 三重の生き物
クロヒゲヒメカゲロウ
ヒメカゲロウ科のクロヒゲヒメカゲロウ Hemerobius nigricornis Nakahara

玄関の灯火に飛来したヒメカゲロウ。前翅長は約10ミリ。

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると、クロヒゲヒメカゲロウは「開張20㎜内外。触角は暗褐色。前翅の段横脈は幅広く暗灰色で縁取られている。北海道・本州・四国・屋久島の山地に分布し、3~10月に現れる。」とある。

ここは山地ではないという点が大いに気になるが、図鑑の記述から同定するのは無理。翅脈の様子はクロヒゲヒメカゲロウに良く似ているので、とりあえずそうしておく。

2009.10.10
クロヒゲヒメカゲロウ

干潟のクシヒゲハイイロヒメシャク

2009-10-11 | 
クシヒゲハイイロヒメシャク
シャクガ科ヒメシャク亜科のクシヒゲハイイロヒメシャク Antilycauges pinguis (Swinhoe, 1902)

田中川干潟。
干潟の縁に育つ塩生植物のハマサジ、ハママツナ、ホソバハマアカザ、アキノミチヤナギの4種が秋の風情を見せる頃、これらの塩生植物上で良く見かけるヒメシャクが居る。前翅長は10㎜前後。
このヒメシャクは必らずと言って良いほど翅の裏を見せない。葉裏に止まろうとはしない。ハマサジの赤茶けた花穂に止まって居ることが多く、翅の表を見せるように止まる。シロオビノメイガも同じ所に多いが、こちらはほとんど葉裏に隠れるように止まろうとする。

4年以上前から、このヒメシャクの種名をあちこち尋ねまわっているが、ヒメシャクの一種と教えられていた。また、写真による同定ではあるが、ハイイロヒメシャクやミスジハイイロヒメシャクではと言う方も見えた。どうもしっくりしない。
このほど、M氏に標本を見てもらったところ、大図鑑の図版と見比べながら、「これじゃないですか、クシヒゲハイイロヒメシャクでしょう」と言われた。

クシヒゲハイイロヒメシャクの分布は 四国,対馬,石垣島;台湾,中国,インドシナ。幼虫が何を食べているのかなど、その生活史は良く分かっていないようである。

この日、ハマサジでシャクガの幼虫を一匹見つけた。クシヒゲハイイロヒメシャクの幼虫かもしれない。
しかし、他の塩生植物が接するように生えていることだし、ハマサジをあちこち探し回ったが、新たな幼虫は見つからなかったので、確定的ではない。

日本産蛾類大図鑑によると、「♂の触角は櫛歯状。後脚脛節の距は♂で1対、♀で2対。前・後翅とも灰色鱗を密に散布し、横線は黒褐色または橙色。横脈上の黒点は前翅では明瞭、後翅では痕跡的。外横線より外は暗色。♂の第8腹節腹板にはScopulaと同じく1対の角状突起(cerata)があって、左右相称で長い。台湾、中国南部と東部、インドシナに分布し、日本では石垣島で11月に数頭とれたほか、四国の愛媛県越智郡大西町で6月に1♀がとれたにすぎない。

2009.10.4
クシヒゲハイイロヒメシャク
ハママツナに止まったクシヒゲハイイロヒメシャク

クシヒゲハイイロヒメシャク
ハマサジに止まったクシヒゲハイイロヒメシャク

クシヒゲハイイロヒメシャク
ハママツナに止まったクシヒゲハイイロヒメシャク

クシヒゲハイイロヒメシャク
ハマサジで見つけた幼虫 クシヒゲハイイロヒメシャクの幼虫ではないかと思われる。

追記
2009.10.12大型台風が通過した4日後に干潟を歩き回ったら、クシヒゲハイイロヒメシャクの姿がほとんど見当たらない。ようやくにして、次の2頭を見つけた。
クシヒゲハイイロヒメシャク

クシヒゲハイイロヒメシャク