田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

クロホシテントウゴミムシダマシ

2013-03-31 | 甲虫

ゴミムシダマシ科のクロホシテントウゴミムシダマシDerispia maculipennis

図鑑等によると,
体長は約3mm
出現期は4~10月
苔や地衣類をエサにする.
テントウムシそっくりのゴミムシダマシ.
黄褐色に黒い斑紋がある.
苔の生える生木や伐採木などによく集まる.
普通に見られ,樹皮の下などで越冬する.

2012.5.3 亀山森林公園

オオクチキムシ

2013-03-30 | 甲虫

ゴミムシダマシ科クチキムシ亜科のオオクチキムシ

図鑑等によると,
大きさ 15mm前後
時 期 4-10月
分 布 北海道・本州・四国・九州

朽木によく見られるクチキムシの仲間.
光沢のない黒色で,上翅に縦筋がある,細長い紡錘形の甲虫.脚は長くて赤褐色.
雑木林の朽木で見られる.冬には,朽木の樹皮の下で越冬しているのをよく見かける.

脚や触角は赤い.逃げ足は速い.
朽木に見られ,灯火にもよく飛来する.クチキムシの仲間では一番普通に見られる.
成虫は枯れ木やキノコをエサとし,幼虫は朽木を食べる.

2012.5.18 亀山森林公園

ミナミヤマトオサムシ♂

2013-03-29 | 甲虫

オサムシ科のミナミヤマトオサムシCarabus (Ohomopterus) yamato kinkimontanus Imura & Mizusawa, 2002

ネグロクサアブ♂を巣花に運び込もうとしているミナミヤマトオサムシ♂を見つけた.私に気づいたオサムシは,くわえていたネグロクサアブをはなして,巣穴に逃げ込もうとした.

亀山市史・自然編によると,
2002年にヤマトオサムシの新亜種として記載発表され,安坂山町石水渓と上白木町白木神社で採集された標本が,パラタイプに指定されている.三重県では鈴鹿山脈中部以南の山地に分布している.


体長17~22mm.全体に黒色.体の背面は金銅色に緑色の光沢をおびる.緑色をおびる個体もある.

2012.5.3

ビロウドコガネ

2013-03-29 | 甲虫

コガネムシ科コフキコガネ亜科ビロウドコガネ属のビロウドコガネMaladera japonica

図鑑等によると,
体長 8~9mm
分布 北海道,本州,四国,九州,対馬. 平地~山地まで汎く分布する.
出現期 4~8月
エサ 草木の葉
美しいビロード状の微毛を持つ大変小さなコガネムシ.
黒い体色にビロードの微毛によるツヤ消し,柔らかな白い反射がとても綺麗.幼虫は草木の根を食べる.

体色は黒色~暗赤褐色.上翅には細かな縦筋がある.
草上性.各種樹林の林縁,草原,市街地の公園など.日当たりのよい環境を好む.幼虫は地中性.
成虫越冬.秋に羽化した幼虫はそのまま蛹室で越冬する.
基本的には昼行性だが,夜間に燈火に飛来することも少なくない.日中多くの花を訪れる.

2012.6.15 亀山森林公園

ヒゲナガルリマルノミハムシ

2013-03-27 | 甲虫

ハムシ科ノミハムシ亜科のヒゲナガルリマルノミハムシ Hemipyxis plagioderoides

図鑑等によると
後肢が太く,ノミハムシの グループである.このグループの中では大柄で体長は 4~5㎜.メスの体長は約5.2mm,オスの体長は一回り小さく約3.8mm.

近づくと,ピョンと飛び跳ねてしまうのは他のノミハムシと変らない習性.
ヒゲ(触角)が長いのが特徴.食草はムラサキシキブ,オオバコで,初夏の林道脇などのオオバコなどの葉の上で普通に見られる

♀は5月頃から盛んに卵を産む. 個体によって前胸背板が美しいムラサキ色を呈するものがある. 本州,四国,九州に分布し,成虫は4月下旬頃より現れる.

2012.5.24 亀山森林公園


マメコガネ

2013-03-26 | 甲虫

コガネムシ科スジコガネ亜科マメコガネ属のマメコガネPopillia japonica

ネット情報によると,
植物食の小型のコガネムシである.日本在来種.移入した北アメリカでは"Japanese beetle"(ジャパニーズ・ビートル)と呼ばれている.農業上の重要害虫の一つ.

成虫は体長8mm-15mmほどで,小型のコガネムシである.上から見た体形は卵型で,やや左右に平たい.腹節の縁には白い短毛が密生し,体のへりに白い横縞模様があるように見える.他には前胸・小楯板と翅の境界がV字型に切れこむこと,前翅には縦のすじがあること,尾部は前翅からはみ出ることなども特徴である.

コガネムシには夜行性のものが多いが,マメコガネは昼間によく見られ,1枚の葉に複数の個体が固まって葉を食べていることが多い.人が近づいたり植物が揺れたりすると後脚を斜めに挙げる動作をとる.動きは鈍く,わりと簡単に捕えることができるが,体がすべすべしていて指からすり抜けることもある.
日本全土に分布.成虫は夏から秋にかけて発生し,マメ科植物,ブドウ類,ヤナギ類など様々な植物にやってきて花や葉を食べる.ダイズやブドウなど農作物の葉も食い荒らすので害虫として扱われる.

2012.8.30 亀山森林公園


ムネビロハネカクシ

2013-03-24 | 甲虫

ハネカクシ科ハネカクシ亜科のムネビロハネカクシAlgon grandicollis

原色日本甲虫図鑑Ⅱなどによると,
体長は 13~17.5mm,北海道~九州に分布する.

頭部と前胸背板はいちじるしい光沢をもち,微細印刻を欠く.頭部は微小な点刻を散布し,複眼後方には大小の点刻をそなえる.
前胸背板は幅広く,丸みを帯びている.
採集時に化学物質を分泌し,特有の臭気がある.

2012.5.24 亀山森林公園

ニワハンミョウ

2013-03-24 | 甲虫

ハンミョウ科のニワハンミョウCicindela japana 

原色日本甲虫図鑑Ⅱなどによると,
体長は15~18mm.光沢がなく,暗銅色~暗緑色さらに黒色へと変化が多いハンミョウ.上翅に白い小さな紋があるが,紋の形には変異がある.
上唇は前縁が波状に張り出し,中央に1歯をそなえる.
人家のまわりから山地まで,広い範囲の地表で見られ,個体数も多い. 地面を徘徊し,他の昆虫を捕らえて食べる.幼虫は地面に穴を作り,近づいたアリなどを穴から捕食する.

2012.6.3 亀山森林公園

オオゾウムシ

2013-03-23 | 甲虫

オサゾウムシ科オオゾウムシ属のオオゾウムシSipalinus gigas

日本在来のゾウムシ類では最大種である.
成虫の体長は12-25mmほどで,ゾウムシとしては大型の部類である.個体差により倍ほども大きさが異なるので同種と思えないときもある.他の多くのゾウムシ類と同様に口吻は長く下方に弧を描き,全身が細かい凹凸のある硬い外骨格に覆われる.体は楕円球形で,前胸背は中央を除いて顆粒状突起に覆われ,鞘翅には点刻が9本の縦条をなす.
森林に生息するも,海岸部でも見つかることがある.成虫は夏に発生する.倒木上を歩行したり,カブトムシやクワガタムシ,カナブンなどと共に雑木林の樹液に集まる.夜には灯火にも飛来する.
伐採後の切り株で好んで発生するほか,貯木場で発生して材部に穴を開けるので林業上の害虫として扱われることもある.

2012.5.24 亀山森林公園

ヒメスギカミキリ

2013-03-22 | 甲虫

カミキリムシ科のヒメスギカミキリCallidiellum rufipenne (Motschulsky,1860)

原色日本甲虫図鑑Ⅳなどによると,
日本各地に分布するほか,朝鮮半島,樺太(からふと)(サハリン),琉球(りゅうきゅう)諸島,台湾にも産するスギやヒノキの害虫.
体長6~13ミリ.体はやや長く,平たくて黒色でかすかに藍(あい)色を帯びるが,変化があり,大部分が赤褐色のものもあり,上ばねの大部分あるいは肩部だけ赤いものもある.腹部は赤褐色.成虫は3,4月ごろから現れ,7月まで温帯樹林帯のスギの伐採木に集まる.成虫で越冬するが,北方では幼虫で冬を越す.

♂は青みを帯びた黒色に前翅の両端が赤く染まる.赤い部分の大きさは個体差がある.
♀は全身赤褐色,腹板は黄赤褐色.

2012.5.3 亀山森林公園

オニコメツキダマシ

2013-03-21 | 甲虫

コメツキダマシ科ミゾナシコメツキダマシ亜科のオニコメツキダマシHylochares harmandi FLEUTIAUX

原色日本甲虫図鑑Ⅲなどによると,
分布:北海道から九州.普通種
全長:5~11.5mm
前胸背の凹凸が オニの顔に見えることからついた種名のようである.成虫は伐採木や枯れ木に集まる.

頭部に中央縦溝が走り,頭楯は末端中央が突き出る.前胸背板は十字溝があり,凹凸がいちじるしい.触角はほぼ数珠状.

2012.6.15 亀山森林公園

オバボタル

2013-03-21 | 甲虫

ホタル科オバボタル属のオバボタルLucidina biplagiata (Motschulsky) 

図鑑等によると,
オバボタルは日本本土では普通なホタル科の昆虫の一つである.成虫の発光はほとんど目立たない.
体長は7-12mm,やや平らで柔らかい昆虫.前胸の斑紋をのぞいて全身がつや消しの黒.頭は前胸の下に隠れて見えない.触角はやや平らで幅広く,やや櫛状に見える.体は細長い楕円形,体の幅の特に広いところはない.前,中肢の爪の一方の基部に突起があるが,オオオバボタルほど著しくない.
成虫は初夏に出現する.雌雄とも腹部第7節にある1対の小さな点状の発光器からかすかでぼんやりした赤色の発光を連続的にするが,配偶行動には用いられず,雌雄の出会いはフェロモンによるとされる.
山間部の森林や林縁で見られる.昼間に木陰の低いところを飛んでいたり,低木や草の葉に止まっているのがよく見られる.飛び方はかなり頼りない.
北海道から九州までの各地に見られる普通種.国外では千島,朝鮮半島,サハリンから知られる.
幼虫で越冬すると推測されているが,越冬場所は判明していない.6月ごろになると土中の浅い部分の間隙で蛹になる.

2012.6.3 亀山森林公園

カクムネベニボタル雌雄

2013-03-20 | 甲虫

ベニボタル科カクムネベニボタル属のカクムネベニボタル Lyponia quadricollis 

体長 7.0~13.0mm.分布 本州,四国,九州.出現期 3~8月.成虫のエサ 花の蜜.
ベニボタルの一種,各地に普通.
朱赤色の前翅と発達した櫛状の触角を持つ.♀の触角は鋸状.
和名のとおり前胸部が四角形をしているが,前胸背板の形態は変化に富む.

ベニボタルの仲間は,ホタルと近縁ではあるが,発光はしない.形はややホタルに似ており,体は柔らかい.

2012.5.3 亀山森林公園にて

アオヒゲナガトビケラ

2013-03-04 | 三重の生き物

ヒゲナガトビケラ科のアオヒゲナガトビケラ Mystacides azureus (Linnaeus)

2011.5.6 津市安濃町の安濃川岸辺で出会っていた虫がどうやらアオヒゲナガトビケラのようだとようやく分かった.

図鑑によると,アオヒゲナガトビケラは体長6㎜前後,触角は細長く前翅の2倍にあまり,各節は灰白色と黒色でまだらになる.成虫は4~10月に出現,平地に比較的普通という.

普通種ながら,私は初めて出会った.今まで行ったことのない新しい場所へ,また出かけてみたいと思った.