田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

台所のカシノシマメイガ

2009-10-09 | 
カシノシマメイガ
メイガ科シマメイガ亜科のカシノシマメイガ Pyralis farinalis (Linnaeus, 1758)  菓子の縞螟蛾 英名meal moth

家族の者が寝静まった深夜の台所で、一頭の蛾がガスレンジに止まった。
カシノシマメイガである。貯穀害虫の大御所の一つだ。

成虫の出現月は 6-10月。幼虫の食べるものは貯穀、穀粉、粉類、菓子、干果、動物の乾燥糞。古くなった穀粉や飼料、変質した食品から発生することが多いという。
カシノシマメイガは開張20~28mm、前翅長が9~14mmで、変異幅が大きく、一般に雄は小さい。前翅の基部および先端には紫赤色斑があり,中央部は汚黄色、白色の横線がある。静止するときは、尻を持ち上げた体勢をとる。
幼虫は、食品を糞と共にゆるく綴り合わせた管状の巣を造り、その中に潜み、その周辺を食害する。年に2~3回発生する。
全世界に分布している。
2009.10.6

カシノシマメイガ

ツマグロコシボソハナアブ

2009-10-08 | ハエ目(双翅目)
ツマグロコシボソハナアブ
ハナアブ科のツマグロコシボソハナアブ雌 Allobaccha apicalis (Loew)

深夜、我が家の玄関灯へやつてきたツマグロコシボソハナアブ。
翅の斑紋が美しいので、ちょいと大人しくさせて鑑賞させてもらった。
美しく装っているものを愛でない手はない。
子供時代に美しい切手を集めていた。美しい翅を蒐集してみたいような気持ちになる。

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると、
「体長9~14㎜。黒色で、♀は紫色、♂は青銅色の光沢を持つ。額は黒色で灰黄色粉がある。顔面は♂では黒色、♀では橙黄色で幅広い中縦線は黒色、側縁は白色粉を密布する。触角は橙黄色で上縁は暗褐色。肢は淡褐色で後脚の腿節の先端近くの輪と脛節の先端1/3は暗色。翅は♀では透明であるが前縁と末端のみ黒褐色、♂は全体が暗色に曇る。出現:6~10月。分布:本州・四国・九州・小笠原諸島・対馬・五島列島・男女群島;台湾・フィリピン・ジャワ・スマトラ。」

2009.10.1
ツマグロコシボソハナアブ

ゴマダラキコケガ

2009-10-06 | 
ゴマダラキコケガ
ヒトリガ科コケガ亜科のゴマダラキコケガ Stigmatophora leacrita (Swinhoe, 1894)  (胡麻斑黄苔蛾)

津市の豊津海岸。草むらでゴマダラキコケガ成虫と出会った。
成虫出現月は 6-8月とされているが、私が出会ったのは10月3日。
前翅長は13-15㎜。灯火にも飛来する。
幼虫は地衣類を食べる。

ゴマダラキコケガ幼虫

ワモンノメイガの食草

2009-10-05 | 
ワモンノメイガ
田中川干潟へ蛾を探しに出かけた。こんな目的で干潟に出向く人もあまり居ないだろう。
干潟近くの砂浜で馴染みのワモンノメイガと出会った。

ワモンノメイガ幼虫の食餌植物について、蛾類大図鑑では不明とされているが、最近手に入れた「愛知県海部郡美和町の蛾類相について 1991」(間野隆裕,愛知県私学協会研究集録第24号特別研究抜刷:124-134)によれば、ワモンノメイガの食性はシロツメグサ(未発表)とのこと。
また、この研究論文によると「年数世代くり返す種(ワモンノメイガ未発表)」であるという。
間野氏にお聞きすると、「ワモンノメイガの幼虫は夜行性。シロツメグサを食べると5齢が終齢であるが、たとえ他のものを食べることができても齢数が増えるから、シロツメグサが最も適した食草であると実験結果で判明した。大学時代の研究で、研究材料は大学構内でのライトトラップ採集で得た。」という。

十勝農試・十勝南部地区農業改良普及センターの報告によると、平成11年9月、シロクローバの葉および葉柄が食害される被害がみられたという。
「本種は、あぶらな科野菜、レタス、ほうれんそうなどに寄生することが知られているが、本道での発生は認められておらず、クローバ類での被害が初めてである。」という。

2009.9.29

砂浜にワモンノメイガ

干潟のネコハエトリ

2009-10-03 | 蜘蛛
ネコハエトリ
ハエトリグモ科のネコハエトリ雌 Carrhotus xanthogramma (LATREILLE, 1819)

田中川干潟。アイアシ群落の中でネコハエトリ雌を見つけた。
成体は4~9月に見られ、体長は雌が7~8㎜、雄が6~7㎜。
日本全土で見られ、草木の葉上を徘徊している。特に雌では体色変異が多い。

2009.9.29
ネコハエトリ

ネコハエトリ

砂浜のマメノメイガ

2009-10-02 | 
マメノメイガ
ツトガ科 ノメイガ亜科のマメノメイガ Maruca vitrata (Fabricius, 1787)

津市の芦原海岸。
干潟近くの草むらでマメノメイガを見つけた。
自分の体の大きさに見合うもっと幅広い葉を見つけて止まれば良かろうにと思ってしまう。近づいても意外と逃げない。

前翅長は12-14㎜。成虫の出現期は9~10月。
幼虫が食べる植物はマメ科のササゲ、アズキの花、アズキのサヤ、ダイズ、インゲンマメがこれまで知られている。
これまで知られている植物はこのあたりの海岸には無いから、きっともっとあるはず。近くには、マメ科のハイメドハギがそこかしこで花を咲かせている。

2009.9.29
マメノメイガ

干潟のテラウチウンカ

2009-10-01 | 三重の生き物
テラウチウンカ
ウンカ科 ナガウンカ亜科のテラウチウンカ Terauchiana singularis Matsumura, 1915

田中川干潟のアイアシ群落の中で翅端までの体長が約6ミリのテラウチウンカを見つけた。
テングスケバ科の仲間かと思ったが、体長が小さすぎる。

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると、テラウチウンカは「体長(翅端まで)6.5~7㎜。本属は一見、テンクスケバ科のような形態を有する。本種は全体ほぼ淡暗黄色。本州・九州および朝鮮半島に分布し、ヨシに生活する。年2化」

2009.9.25