田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

旅鳥

2007-04-27 | 
メダイチドリ
長潮、潮の干満が小さい。
干潟を歩いていくと石積み堤防から2羽のチュウシャクシギが飛び立った。
なにやら堤防上に小鳥の姿が見られたので撮影。
夜、写真を見て驚いた。メダイチドリとキョウジョシギが写っている。
干潟に棲むゴカイ類や貝類、甲殻類などを摂食して旅を続ける。
ピユーイとキアシシギの鳴き声が響く。この時期、干潟は旅鳥たちでにぎわう。
2007.4.26

ミユビシギ

2007-04-24 | 
ミユビシギ
4月の初旬頃にハマシギの群れの中に数匹のミユビシギが混ざっているのを見かけていた。
この日は西風が強く、砂が舞い上がるほど。田中川左岸の海岸にミユビシギばかりの集団を見つけた。50羽以上の群れであった。そこにはハマシギの姿は一羽もなかった。
ミユビシギの姿はいつも海岸の波打ち際で見ている。ハマシギは干潟の中へも入ってくるが、ミユビシギが田中川干潟の中へ入ってきたのを見たことはない。

2007.4.17
ミユビシギ

ミユビシギ

ヨツコブゴミムシダマシ♂

2007-04-23 | 甲虫
ヨツコブゴミムシダマシ
里山で朽木の皮を剥がして生き物を探した。
一匹のヨツコブゴミムシダマシを見つけた。あたふたと朽木の隙間へ潜り込もうとする。
上翅に条溝があるゴミムシダマシの仲間。10ミリ前後。オスの胸部背面には強いへこみがある。
半円形のへこみは確認できるが、4つの瘤がどれを指すのか分からない。
左目の辺りにダニがくっついている、腹側にも5匹ほどのダニがいた。

2007.4.18
ヨツコブゴミムシダマシ

ハッカハムシ

2007-04-22 | 甲虫
ハッカハムシ
田の土手にしゃがみこんで生き物を探した。一匹の見知らぬハムシを見つけて写真を撮っていると、虫かごを首にぶら下げた小学1年生の女の子が話しかけてきた。
「この虫は何と言うの、草を食べるのかなあ」
「こんな虫、はじめて見るなあ、腹がきれいやなあ、何食べるか知らんなあ」
「これだけ入れといたら、ええかなあ」とハムシと数種類の草を虫かごに入れ、「何食べるか分からへんから、死なしてしまうかも知れへん、それでもええかなあ」と聞いてくる。
「明日も田んぼへ来るの? 今度はいつ来るの? 私、待っている」

今度はいつ行こうか、彼女が待つ田んぼへ。

ハムシ科のハッカハムシ 平地から低山地の湿地に住み、シソ科の植物を食べる。
ひっくり返すと死んだ振りをした。脚や腹の色に魅了された。
2007.4.21

ハッカハムシ

ハッカハムシ

群れなすヒメセアカケバエ

2007-04-21 | ハエ目(双翅目)
ヒメセアカケバエ
何十枚もの古畳が田に捨て置かれてある。近所の子供たちの遊び場になっている。
おそらく、ヒメセアカケバエの幼虫たちはこの腐った古畳を食べていたのであろう。
成虫となって地上へ出てきたところ、そこは子供たちの遊び場。子供たちに踏みつけられた死骸があちこちに見られた。
上の個体が♂、下が♀
2007.4.21

ヒメセアカケバエ
ヒメセアカケバエ♂ ケバエ科の♂の頭部は大きく、♀では小さい

カニの写真展

2007-04-18 | 田中川
海の博物館ちらし
かねてから三重県内各地の干潟で、主にスナガニ科のカニたちを追いかけている締次美穂さんが鳥羽の「海の博物館」にてカニの生態写真展を開いている。
朝も昼も時には夜間も干潟の自然と生き物を見続け、記録している彼女。
毎日、干潟の生き物たちと一緒に暮らしている彼女。
そんな締次さんならではの生態写真ばかり36枚が展示されている。
ハサミ再生中のカニ、食事中のカニ、争うカニ、木登りするカニなどなど。
スナガニ科だけでなくイワガニ科のカニたちについても、興味深い日常生活が撮らえられている。
生態についての詳しい解説も別コーナーに用意されている。

海の博物館

春の蛾

2007-04-17 | 
ハスオビエダシャク
津市の郊外、山道を歩いていて出会った。
いろんな角度から写真撮影を試みたが、最後までじっとしていてくれた。
アップで見ると翅にはみずみずしさがあった。
成虫が見られるのは3~5月に限られる春の蛾。
前翅、帯部分は個体変異が激しいそうだ。
終齢幼虫の体長は60ミリにもなる。
エダシャク亜科のハスオビエダシャク
2007.4.1

ハスオビエダシャク

ハスオビエダシャク


キケマン

2007-04-16 | 草花
キケマン

キケマン
鳥羽市内、海岸近く、常緑樹の繁る林縁でキケマンを見つけた。
ケシ科キケマン属 黄華鬘
関東地方から西の海沿いに分布しているらしいが、今まで出会った記憶がない。
ムラサキケマンやジロボウエンゴサクも咲いていた。
2007.4.13

キケマン

キケマン

砂浜のハマニガナ

2007-04-15 | 草花
ハマニガナ
オカヒジキが生えていそうな場所でハマニガナが花を咲かせていた。花期は4~10月だから、時期的には不思議はないが、ハマニガナはもう少し砂丘の真ん中辺りに多いように思っていた。ハマボウフウの間を埋めるように地下茎を伸ばしているという印象がある。
葉だけを砂の上に出しているだけなので、気をつけて砂浜を歩かないと踏みつけてしまいそうになる。
キク科ニガナ属の多年草 浜苦菜

田中川干潟と海との境に広がる砂丘は海浜植物が豊富。植物が豊かだと他の動物たちも豊富だから、人間が勝手気ままに動き回れる場所ではないという気がする。重機を使っての海岸清掃は止めて欲しい、流木も残しておいて欲しいと思う。この時期、砂丘に近づくとヒバリが鳴く。気を遣ってあげたい。
2007.4.12
ハマニガナ

セリ科の帰化植物

2007-04-14 | 草花
マツバゼリ
鳥羽市内の空き地の一角に群生している彼らを見つけた。まだ若い個体ばかりで、茎の高さは10センチ内外のものばかりであった。
茎葉ともにセリの仲間に見えた。葉をもんでみると香りもセリのようであった。
白い小さな花をつけているように見えたが、肉眼では分かりづらいほど小さい。花弁は5個。
熱帯アメリカ原産の一年草。マツバゼリ

老成すると葉の形が変わっていく。糸状に細くなり、葉だけを見比べると別種のように思える。茎の高さは70センチほどにもなる。
「家畜には有毒」と図鑑に載っていた。少し食べてしまったが、今のところ異常なし。
三重県内での初記録は1954年、四日市港にて太田久次さんによるもの。
2007.4.13

マツバゼリ


春の山の蛾

2007-04-11 | 
フタモンコナミシャク
鈴鹿市の小岐須渓谷へ甲虫を探しに出かけた。
雨がぱらついてきたので早々に退散したが、帰り際に蛾を見つけた。
シャクガ科ナミシャク亜科のフタモンコナミシャク
今が旬の山地性の蛾、その生態は良く分かっていないようだ。
2007.4.7
フタモンコナミシャク

フタスジヒラタアブ

2007-04-10 | ハエ目(双翅目)
フタスジヒラタアブ
漁港近くの公園に行った。
カラスノエンドウが咲いている。
そのカラスノエンドウの間を飛び回っているハナアブを見つけた。
ハナアブ科ヒラタアブ亜科 フタスジヒラタアブ♀
黄色紋は下側が一部えぐられた形で個性的。雌雄で黄色紋の幅が異なる。
山地に多い種とのこと。「フタスジ」とは中胸背前部の 2本の縦条を指すようだ。

2007.4.8
フタスジヒラタアブ




マキバサシガメ科

2007-04-09 | カメムシ
キバネアシブトマキバサシガメ
海岸堤防下にある水路際の田に降りてみた。田は意外と乾燥していた。
水路に架かったコンクリートの橋を急いで渡ろうとしている一匹の昆虫を見つけた。
マキバサシガメ科のキバネアシブトマキバサシガメ
石の下で生活しているらしい。
拡大して見てみると粗い毛で覆われている。
図鑑には「きわめて珍しい種」と書かれていた。
2007.4.8

キバネアシブトマキバサシガメ

スイカズラ科の新芽に

2007-04-07 | 
スイカズラクチブサガ
庭のウグイスカグラが咲いている。その隣に同じスイカズラ科のベニバナヒョウタンボクがもうじき花開こうとしている。
ベニバナヒョウタンボクの枝先のいくつもの新芽が蛾の幼虫の住処となっている。
クチブサガ科のスイカズラクチブサガの幼虫のようである。
幼虫はスイカズラ科の植物を食べる。
5月には羽化するようである。
なぜかウグイスカグラの葉は食べられていない。
2007.4.2
スイカズラクチブサガ


林縁にニワトコ

2007-04-06 | 樹木
ニワトコ

ニワトコ
津市の郊外、山手の道を歩いた。
枝先にいくつもの白い花を咲かせている木が目に付いた。複数の株を見た。
スイカズラ科のニワトコ
山野の林縁に成育する落葉低木~小高木
2007.4.1

ニワトコ
果実は7月頃に暗赤色に熟す。
まだ見ていないので、夏が来れば、赤い果実に会いに行きたい。

ニワトコ